憂太郎の教育Blog

教育に関する出来事を綴っています

自閉系と注意欠陥系

2008-08-01 22:30:18 | 発達障害の窓
 大学生の頃,一般教養のコマであった近代文学の講義のなかで,担当教授が「人間というのは,程度の差はあるにせよ,サディスト傾向とマゾヒスト傾向のどちらかに二分することができる」と言っていた。随分とまあ,下らねえことを言うもんだとその時は思ったが,今となって思い返してみても,やっぱり下らない。大体,どちらか一方に人間を分けてみようという,二分法の発想自体が安直だ。
 ただ,いくら下らないといっても,十数年たった今でもしっかり記憶に残ってしまっているわけで,そうなると,この二分法は話のタネ程度には面白いかもしれないね。私は,サドとマゾのどっちの傾向が強いのかなあなんてフト考えてしまったりしてね。
 さて,このような人間をどちらか一方に分けようとする安直な二分法。私だったら,こう分けてみたい。すなわち自閉系と注意欠陥系という二分法だ。
 自閉系というのは,根気強くこつこつと粘り強く取り組むタイプの人間だ。興味対象の幅は狭いが,これぞというものには飽くことなくやり遂げる。いうなれば一点突破主義だ。読書傾向でいえば,一冊の本を最初のページから読み進めていく。そして何時間でもずーっと読み続けられるようなタイプだね。あるいは,学校のテストでいうなら,最初から問題を解いていって,後になって時間が足りなくなり最後まで解くことができないタイプだ。
 一方,注意欠陥系は,興味対象への集中力はものすごいが,残念ながら長続きしない。すーぐ別なことへ興味が移っていく。瞬発力で生きているタイプの人間だ。パワーはあるが,ムダも多い。読書傾向でいえば,乱読,多読。片っ端から読んでいくが,途中で放り投げてしまう。テストだったら,ものすごい速さで問題を解いていくが,解答欄を間違えたり,問題をよく読まずに解いてしまったりと,とにかくウッカリミスで点数を落とすタイプ。
 どんなものかね,結構,人間の分類として面白いとは思うけどね。ただ,ネーミングはすこぶる悪いね。発達障害をバカにしていると怒る人もいるかもしれないし,不快な気持ちになる人,あるいは,傷ついたなんていう人もいるかもしれないね。
 けど,特別支援教育に携わっている私としては,そういう意図は全くなくて,むしろ逆の発想なんだよね。つまり,自閉や注意欠陥なんて,程度の差があれ人間だれにもそういう傾向はあるんだよと言いたいんだよね。また,今現在,広汎性発達障害と診断されている子どもにしたって,そんな傾向は程度の差はあれ普通一般誰にでもあるわけであるから,そんなに気にしないで,どんどん社会性を身に付けたらいいよという思いもあるわけです。
 けど,やっぱり人権派の人たちには受け入れられないかなあ。
 そうか,人権派と権派という二分法も面白いかもしれないね。ちなみに,私は,誰が何と言おうと,バリバリの人権派タイプの人間だと思っていますがね。