竜頭蛇尾

遠目には竜なのだが、よくよく見ると手足がない。
蛇が竜の頭を被っている。

竜の骸を隠し、私欲に用いてきた蛇も、
帰ってきた竜には抗うすべもないだろう。

竜が生きていること、また帰ってくることを知っていながら、
蛇は支配の味におぼれすぎたのかもしれない。
竜の一族は主のために、あまり抵抗力をつけさせないように、
不条理と思える世界に、手を出さず耐えていたのかもしれない。

蛇は人質をとって抵抗を試みるだろうが、
真実、自らの正体を知らされた人々によって逃げ場を失うだろう。