今日お預かりしたのは松下の RF-787 で初めて手掛ける機種だが、同社がサウンド・スコープと呼
ぶマトリックス・ステレオ方式が採用されているFMステレオ・ポータブルラジオで、短時間動作し
ていたが全く機能しなくなって仕舞ったとのお話だった。 また FM のカバレッジをワイド FM に対
応させる改造のご依頼も頂いた。 この種のラジオの修理、改造に付きましてはこちらの ホームペ
ージ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
伺った様、全くと云って良い程動作していなかった。 幸い回路図とパターン図を添えて頂いたの
で何とかなるとは想うが、ことは簡単そうでは無かった。
10月25日 ゴーサインを頂き昨日の続きに取り掛かった。 低周波回路は辛うじて生きていたが
ゲインは殆ど無く、調べを進めた結果レギュレータの出力に電圧が出ていなかった。 初めTr10
のE-C 間がオープンになったのかと想像し、別のトランジスタに交換したが変化は無かった。
次いでベースバイアス用のR46に別の物を加えてみたがこれでも変化は無く、最後にまさかとは
想ったがC47を交換した結果、出力が良好となった。(この時期のケミコンで短絡は初めてとなる)
FMのカバレッジの改造に取り掛かった。 上は最近始まったインターFMの87.9MHzでの放送。
幾つかかの局を受信したがコールサイン、放送局名等が分からずどこか特定出来なかった。
何れにせよカバレッジの上端をVHF 1Chの音声周波数96.5MHzに調整した。
TBSが試験電波を出しており【TBS墨田放送局】と云う名称が何とも微笑ましい。 90.5MHz
今回の機種のフロントエンドがT型のBPFで、L、Cが樹脂で固められており調整不可能だったの
で若干心配していたが特にゲインの低下は診られなかった。 またスカイツリーに変わりアンテ
ナ高が高くなったせいか従来の東京のFM局より可成り電界強度が上がった様に感じた。