テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

Philco, Predicta "Debutante" 1960

2009-01-22 18:58:40 | Weblog

 

今日お預かりしたのはPhilcoのPredicta H3408、DebutanteでシャーシNo.11L43から
1961年製と想像出来ます。(記憶ではPhilcoの経営が躓いたのは1961年末なのでPhilco
プロパーとしては際後期の製品と云えます。  *その後もFordの傘下でPhilco・Fordとして
同様の製品は作られておりましたが。   試みに通電してみましたが、若干の雑音が出るだけ
でラスターは出ず、水平出力6DQ6のプレートが真っ赤に光っておりました。 サテ、久々の
Philcoですが明日以降頑張らせて頂きましょう。

1月24日 劣化が考えられるコンデンサ類を交換し通電したが相変わらず高圧は出ず
従ってラスターも出なかった。

1月25日 調べたところチューブチェッカーではgmも良好だった水平発振の6CG7が何故
か点灯していない。  細かく調べたところ何と5番ピンがグランドに落ちていない。  この基
板を外すのは大事なのでリード線で結んだがこの様な問題は初めての経験だ。  上の画
像でプリントパターンの様に見えるのは実際は印刷でこの部分にパターン(銅箔)は無い。

 結果高圧は出始め、ラスターも出たが垂直振幅は2/3程しか無く、また音声も、映像も全く
出ない。 またまた回路を追ったところ3KΩ/7Wのセメント抵抗が断線しており+140Vライン
に電圧が出ておらず、これではチューナー、VIF、ビデオアンプ、SIFが動作していなかった。

映像も音声も出たが垂直振幅はアレコレやってみたが2/3以上にならず、垂直出力6DR7
の出力側のプレートはほんのり赤くなっていた。 まだまだ道のりは遠そうだ!

1月26日 垂直振幅以外にも音量と、ボリュームの変化のし方に問題がみられたので先に
これらを調べてみた。 今回の機種の資料は無いが一つ前の10L43はRider'sのVol.26に網
羅されていたのでこれを使ったがどうも殆ど違いは無い様だった。 余談ながら次ぎのVol.27
(1960年?)が知る限りRider'sの最後のマニュアルで、重たく使い勝手の悪い物に代って
機種毎にファイルで用意されているSam's Photofactが持て囃される様になっていった。
 調べた結果はボリュームえの接続が逆で、おまけに音声の入力がトーンコントロール用の
端子に接続されていた。

回路図を持ち帰りアレコレ机上で検討した結果、残されているのは垂直出力の入力に使わ
れているCR各2個から成る複合部品で、思いきって外したが33Kは41K、68Kは121Kに増
加していた。 下の画像の右が外した複合部品、プリント基板上は交換した個別のCR.。

それでも垂直振幅は殆ど変化せず、最後に発振段のプレート抵抗を交換したが1.8Mが何と
19Mに増加していた、これでは振幅は出ない。  ヤット垂直振幅がまともになったが水平の
センタリングに問題が在り、センタリング・マグネットの出番となった。  可也gmの下がってい
た6DR7は交換しなければならないが他の通常劣化の早い、水平出力/周波数変換/高圧整
流等の真空管をどうするかご依頼主に伺ってみよう。

2月2日 先週末秋葉原で垂直直線性調整用のボリュームを買って来たので今日組み込んで
みた。   前の巻線型可変抵抗(レオスタット)はトータルで1.5KΩの物だったが構造が脆弱で
修理中に壊れて仕舞った。 実験結果からは約610Ωで好結果が得られたので600Ω+100Ω
のボリュームを使った。 シャーシー等鉄製なので穴開けは楽では無かった。 下の画像の右
下が新たに設けた100Ωのボリューム。

他に脚が2箇所無くなっており適当なピラスチック製の脚を付けた。 またシャーシーを本体
内に組み込んだところ高圧のケーブルの一部がヒビ割れていてそこからスパークしていた。

一連の作業が終わったので最終的な動作試験を行い好結果が得られたので終了とした。

 

コメント
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