そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

高橋朝臣の挽歌(#3.0481-#3.0483)

2020年04月22日 |  / 万葉集

2020/04/22

「高橋朝臣というが名や字もわからないけど奉膳カシワデという
 [死せたる妻を悲傷み高橋朝臣がよめる歌一首、また短歌][万葉]」

「白布の 袖さし交へて 靡き寝し 我が黒髪の ま白髪に 変らむ極み 新世アラタヨに
  共にあらむと 玉の緒の 絶えじい妹と 結びてし 言は果たさず
思へりし 心は遂げず
  白布の 手本を別れ 和ニキびにし 家ゆも出でて 緑児の 泣くをも置きて 朝霧の
  髣髴オホになりつつ 山背の 相楽山の 山際ゆ
往き過ぎぬれば 言はむすべ 為むすべ知らに
  我妹子と さ寝し妻屋に 朝庭に 出で立ち偲ひ 夕べには 入り居嘆かひ 脇はさむ
  子の泣くごとに 男じもの
負ひみ抱ウダきみ 朝鳥の 啼のみ泣きつつ 恋ふれども
  験を無みと 言問はぬ ものにはあれど 我妹子が 入りにし山を
縁ヨスカとぞ思ふ
 [#3.0481][万葉]」

「白布の 袖さし交へて 靡き寝し 我が黒髪の ま白髪に 変らむ極み 新世アラタヨに
  共にあらむと 玉の緒の 絶えじい妹と
結びてし
 [超訳:黒髪が白髪になるまで一緒だと二人で契り交わしたが][万葉]」

「言は果たさず 思へりし 心は遂げず 白布の 手本を別れ 和ニキびにし 家ゆも出でて
  緑児の 泣くをも置きて 朝霧の 髣髴オホになりつつ 山背の
相楽山の 山際ゆ
  往き過ぎぬれば   言はむすべ 為むすべ知らに
 [超訳:約束をはたさず子を置き出ていきしどう言えばいいどうしたらいい][万葉]」

「我妹子と さ寝し妻屋に 朝庭に 出で立ち偲ひ 夕べには 入り居嘆かひ 脇はさむ
  子の泣くごとに 男じもの 負ひみ抱ウダきみ 朝鳥の 啼のみ泣きつつ
恋ふれども
  験を無みと 言問はぬ ものにはあれど 我妹子が 入りにし山を 縁ヨスカとぞ
 [超訳:][万葉]」

「[反し歌][万葉]」
「うつせみの世のことなれば外に見し山をや今は縁と思はむ[#3.0482][万葉]」
「うつろえるこの世と思いあきらめてあの山いまは縁と思わん[超訳][万葉]」
「朝鳥の啼のみし泣かむ我妹子に今また更に逢ふよしを無み[#3.0483][万葉]」
「朝鳥のように泣いても我妻にまたふたたびに逢うすべはなし[超訳][万葉]」
「この長歌読みっぷりよくなかなかで安積挽歌に続くはいかに
 [右ノ三首ハ、七月廿日、高橋朝臣ガ作メル歌][万葉]」

「読みすぎも高橋朝臣が毒を盛るそんな幻視はないといえるか[][万葉]」


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