暇つぶし日記
思いつくままに記してみよう
 




Paha  Maa / Frozen Land    (2005)


原題; Paha  Maa
英題; Frozen Land

2005年
製作国; フィンランド

監督; Aku Louhimies 

本作のクレジットは下記英版ウィキペディアの本作の項にゆずる。

英語版ウィキペディア ; Frozen land の項
http://en.wikipedia.org/wiki/Frozen_Land

その理由は普通、大抵の映画のクレジットなどの情報はグーグルから引っ張った映画データベースのいくつかで足りるのだが本作にはその手が無効だったからだ。 欧米、特にハリウッド映画が席巻する世界状況と、英語で言う、「自分たち以外の残りの世界」における良質映画の日本への流入状況がこれで知れるというものだ。 それに付随して何でもあると言われるネット情報の裏に如何に情報の偏在がみられるかという証査にもなっている。

120分ほどある本作を初めの45分を見過ごして見始めたのは、オランダ国営放送のこの何週間か特集の北欧秀作映画シリーズの一環として金曜の深夜放送にかかったものを見ようとしてほかの事にかまけて見逃したからでプロットなど辻褄が分からなければそこでスイッチを切ろうと決め、飼い猫を膝の上に載せて見始めたのだった。

無表情な中年の電気掃除機を売る男がビジネスホテルのバーで建設労働者然とした無粋な男と並んでいるのだが、中年男がコーヒーとミルクで一晩すごすつもりかと相手の男に笑われたことから飲み始め、それがエスカレートして無粋な男の部屋で女を連れ込んで飲み続けるシーンから私の本作が始まった。 上記ウィキペディアの惹句にはこの部分がないからすでにいくつかの話が済んでその続きなのだ。 この男のエピソードがあってそれに続く、高校か大学でカオス理論を講じている男の妻、その男との間に三人の子をもうけ優良警察官として勤める女がビジネスホテルに現れるところでさっきの電気掃除機男とすれちがい、話が受け渡されていく、という具合なのだがそれだけで大体そのような構成になるのか、たんなる探偵物でも「心温まる話」でもないことが分かる。 ここまででは大体誰が主演で、、、、というようなことも分からないし俳優にしても見慣れた顔もなく、とりわけ目立った顔立ちに迫るようなショットがあるわけでもないというような映画のトーンは良質ハリウッドものとも違い、画の調子や話を際立たせる色合いにはハリウッドのクーン兄弟を思わせるところが現代北欧・ヨーロッパで寒い土地を撮る作者の姿なのだろう。 

本作は日本ではヒットしない。 そのヒットしない、というところがある意味では北ヨーロッパの各国で本作が数々の賞を獲得したという皮肉になっている。 凍りついた土地、とでも訳される題名のどこに日本との共通点があるのだろうか。 嘗て北国の連続射殺魔といわれ獄中で改心し著書をものした男の経歴も本作に入りうるかどうか、アメリカ映画「21グラム」(2003)とも重なる部分があるかどうか、暴力的な死と「死」が関わるという点では共通のものではあるがそこに至るプロセスの描き方が我々をひきつけるならばその意味を問うているのだ。 

これをオムニバス風のリレー映画とみるのならその背景にあるのが何か、大地や人の心の底まで「凍りついた土地」が日常の間に荒涼として現前し、そこに現れるそれぞれが不条理な死を迎えるのを見るときには彼らは単なる将棋の駒であり駒には意思もなく現れ去っていくのは駒を操る「神」の営為なのだ、と本作の作者はいいたいのだと穿った想いに至るのだが、そんなことは多分高校生でもそれぐらいのことはいうのに違いない。 神の営為が暴力として現れるときそれを人はどのように解釈するのだろうか。 その反応を楽しんでいるようでもある。


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Paha maa (2005) (NORTHERN IMAGES -北欧&バルト映画資料室-)
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