ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

父の横顔

2020-02-16 20:58:52 | 日記

 きのうから堺の実家に帰っていた。先週、妹が母の病院の付き添いへ行って、痴呆が進んでいることがはっきりとなったので、心配になったのだった。

 

 ふたりは忘れっぽくなっていたけれど、まぁまぁ元気にしていた。でも、父は一昨日はまったくご飯が食べられないほど体調が良くなかったらしい。

 

 前庭に白い梅の花がたくさん咲いていたので、「いっぱい咲いたねぇ」と言って近づくととてもいい匂いがした。母にも近くで匂いでみてって言ったら、もうあまり臭覚もないらしく、「匂わないわ」と言っていて、だんだん共有できることが減っていくことを実感する。

 

 夜中にふたりの部屋から大きな物音がしたので、のぞきに行くと、トイレへ行こうとした父が杖をつきそこねて転んだあとだった。ああ、怖いなぁ。

 

 「大丈夫? 痛いとこない?」と言ったら、「いたたた、大丈夫大丈夫」と言っていた。あとで痛くなるんじゃないかなぁ。

 

 父がベッドに入って目をつむるまでそこにいた。

 

 ・まるでもう来世で会っているような父の横顔舟に揺られて (『貿易風』)

 

 という歌を2003年ごろに作ったけれど、あれは父の癌が見つかって最後の家族旅行と思ってタイへ行ったときの歌。あのときもとても弱々しい父だなぁと思いながら一緒に舟に乗っていた。目をつむる父は顔が小さくて、そのまま現世に戻ってこないような気がして怖かった。

 

 骨折してそのまま入院っていうことになったら、怖いので、今朝、さっそくケアマネさんに相談して歩行器をレンタルしてもらうことにした。前から私は夜中のトイレは危ないからほんの数メートルでも歩行器は使うべきだと話していたのに、「必要はない」と父は拒否していた。必要だということが証明されたので、話を進める。

 

 お昼すぎに息子がやってきたので、四人で外食。和定食を両親は残さず食べていた。気分が変わっていいのかな。たまには連れて行かなくちゃ・・・

 

 午後はチョコや阿闍梨餅を食べながら、息子が持ってきた欅坂46の昨年9月の東京ドームのDVDを観る。息子がこのひと月未満のあいだにメンバーの名前やプロフィールをほぼ覚えきっていたことに驚く。両親も居眠りしながらときどき見てはいろいろびっくりしていた。水がかかって風邪ひかんのかな、かわいそうにとか。いやいや・・・・そういう目線でみるのね。と思う。

 

 16時をすぎて、そろそろ帰ろうと思ったら、父は「きょうも泊まるんやろ、二泊するっていうてたやないか」という。「それはお父さんの希望であって、誰も二泊するなんていってないよ。あしたからふたりとも普通に仕事なんやから」といってしまう。いつも帰る時そんなことを言い出すのだ。

 

 悲しくなったり、腹立たしくなったり、偉そうに両親にものをいう自分が嫌になったり。実家にいくと萎える。

 

 でも、今回は息子がいたから救われた。きのう行ってきたという明治村の写真やガイドブックをみせてもらったり。帰りの車のなかでも欅坂46の曲をききながら茨木まで送って行った。きょうは萎える気持ちをリセットして城陽に帰ってこれた。いつもありがと。

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