午後7時。 城陽駅で降りて、バス停でバスを待っていると、空があまりにもきれいで。
まるで知らない国のちいさな空港に降り立ったような気がして、思わず写真に撮りました。
さっきまで電車の中で読んでいた、うた新聞5月号。 その「皐月作品集」のなかに惹かれた歌がありました。
・祖母がいた頃の庭には雨が降るたびに小さな人が踊った (「きらきら」吉野裕之)
ところどころ句またがりになっていて、ぱっと読んだときにはぶっきらぼうな感さえする歌ですが、雨が降るたびに庭で踊る小さな人ってなんだろう、と思った瞬間、ああ、雨が地面に跳ねるあの動きのことだろうかと思いました。 いい歌だな。
庭が土だったとか、そういう具体的なことより、自分が子供だったころは雨の跳ねるようすさえ、小さい人が踊っているように思えた、そんなふうに見えていた世界が愛おしく懐かしく、遠い。
息子がまだ小さかったころ、窓からとなりの屋根の瓦に落ちてくる雨をみていて、
「雨は屋根に会いたかったんやね、あんなに喜んでるよ」 とつぶやいたとき、子供っていいなぁと本当に羨ましく思ったことを思い出しました。
きっちり場面や情景を切り取って正確に伝わる歌もいいと思うけれど、やっぱり私は読んだ人がイメージを広げて楽しめる歌が好きだなぁと思ったのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます