今年の1月に塔のZoom新年会があって、そこで最後までしゃべっていたメンバーで歌会をやろうということになった。
3月からはじめて(知り合いを呼んできたひともあって)、7名で月に一度、Zoomで歌会をやっている。みんなで考えてつけた名前が「サイダー歌会」。たまたまメンバーのひとりが出していた歌にサイダーの歌があって。さわやかだし、ちいさな粒がはじけるような感じがぴったりじゃないかということで決まった。
それからきょうで7回目。台風で午後からの山城歌会は中止となったのだけど、サイダー歌会はZoomなのでこういうときほんとうに便利。家で歌会ができる。
私が出した歌は、
・野葡萄の切られし庭に新しい日向のできて芽吹き始める 藤田千鶴
芽吹き始めるのは野葡萄か、また別の植物か。どんなふうに読まれるかなと思っていたら、野葡萄ではない、別のなにかの芽がでているんだろう、これからどんな植物が育ってくるのか、落胆ののちの嬉しい発見、というようなコメントをいろいろもらった。
住んでいる場所も年代も環境も違うひとたちが、メンバーの歌を真剣に読み、語る。コメントを聴きながら、なんだか涙が溢れそうになった。
コロナによって、リモートでの会議や歌会が気軽にできるようになったことは距離によって諦めていたことが諦めなくてもよくなって、それはよかったなと思う。
今年はリモートでの歌集の読書会や、一首鑑賞会、歌会などいろいろ出ている。
変わっていくことに対して、不安になったり寂しくなったりしていたけれど、見方を変えれば、新しい出会いや豊かな時間につながることもある。野葡萄のあとにできた新しい日向みたいに、芽吹いてくるものを大切にしたいと思う。