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いつでも君のこと好きだったよ

バスのなかのできごと

2021-10-06 22:58:02 | 日記

 通勤にバスを使っている。といっても帰りだけ。帰りは地下鉄ー近鉄ーバスを乗り継いで帰る。

 

 ちいさいバスで、最後部の席は3人掛けになっている。ちょうどタイヤの上あたりで、そこだけ1段高くなっていて、進行方向に向かって右の窓側を「王様席」左側を「女王席」と呼んでいる。(私だけだけど)そして、いつも私は「女王席」に座る。だいたい空いているので、3人掛けに3人が座ることはないから、間の座席に荷物をおいたりしてゆったり座れるのがいい。

 

 先週の水曜日だったか。いつものようにバスに乗り込み、最後部の席を見ると、小学校の低学年の男の子が3人並んで座っていた。

 

 こんな遅い時間に珍しいな、と思いながら、私は普通の席に座った。そこから城陽駅まで乗客はその子たちと私の4人だけ。

 

 城陽駅について、男の子たちが降りていく。先頭の子がお金を入れ、最後尾の子もお金を入れたのを見た。すると、

 

 「ちょっと、ぼく、お金は?」と運転手さんが降りた男の子に声をかけた。真ん中の子がお金を入れずに降りたらしかった。

 

 私も驚いてイヤホンの音楽を切って、様子をうかがっていた。

 

 とがめられた子はまたバスに乗ってきて、「お金はない」と言った。 え、と思った瞬間、持っていた鞄からICOCAを出してきたので、なんだ、ICOCA持ってるのか、とおもってほっとしていたら、読み取りの機械にタッチして表示された金額は「0」。あらら、、

 

 「お金はいってないよ、このカード。 お金はないの」 と運転手さんは穏やかだけれどきびしめに言う。

 

 すると、男の子はまた鞄をごそごそして、財布を取り出した。財布、あるのか、、、 料金箱にじゃらじゃらと硬貨を入れる音が軽い。1円玉を入れているのだろうか。その子が支払う料金は80円。なかなか10円にもならない。あのう、足りない分、私が出しましょうか、と言ったらいいのか、いやいや、運転手さんが無賃乗車はいけないことを教育している場面だから、口出ししてはいけないか、でも、男の子、すごく困ってるけど、、、もやもやもや

 

 「お金ないのにバス乗ったらあかんやろ」 う、静かだけど怖い声。

 

 先に降りた友達ふたりはじっと降りた場所で待っている。 あんたたち、80円ない? 立て替えてあげたら? とか言おうと思ったけど、そこまでしゃしゃりでていっていいものか、もやもや

 

 「もうこれでええわ。今度からお金ないときバス乗ったらあかんで」 と、ようやく運転手さんが許してくれた。

 

 はぁ。緊張した。 あの子は一生バスに乗らないんじゃないかなぁ。ICOCAになんでお金なかったんだろう。入っていたけど友達と電車で遊びに行って使い切ったのかな、とか、子供の運賃って、大人とふたりで乗る時は無料だから、いつもはお母さんと乗るから払わなくていいと思ったのかな、とか、いや、友達ふたりで160円だから、大人一人分(150円)より多く払っているわけだから、友達ふたりを大人ひとりとカウントすれば、そもそも3人目の子供は無料なんじゃないだろうかとか、いや、子供は子供として独立してのカウントだろうなやっぱり、などなど、3つめの停留所で降りるまでいろいろ考えていた。

 

 結局、傍観していただけだったんだけど。

 

 

コメント
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