ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

さよなら、ブウ

2020-06-12 20:52:14 | 日記

 きのう、寝る前はまだメダカのブウは生きていた。

 

 そして、薄く眠った。

 

 はっと目がさめたのは4時半くらいだった。

 

 階下へ降りて確かめる。 ああ、やっぱり。 ブウのしっぽを割り箸のさきでちょんとつついてみたけれど、動かなかった。

 

 使い捨てのプラスチックのちいさなスプーンでブウを掬って手のひらのティッシュに受ける。 そして捨てた。

 

 ほっとしてそこから深く眠る。

 

 きょうは仕事が忙しくて、真剣にやる。 ときどきブウのことを、そしてひとりぼっちになったルウのことを思いながら。きょうは一日雨で、帰るときも降っていた。京都駅から奈良行きの快速に乗り、窓側に座った。窓をだらだら流れる雨。

 

 電車が動き出すと、水のカーテンみたいにつぎつぎに上から流れてくる。町はぼんやり見えている。ああ、水槽のなかみたいだ。

 

 ブウはどんな景色を見ていたんだろう。 水槽越しにみる私はどんなふうに映っていたんだろう。 空が暮れてきて、街にあかりがともる。 街全体がぼんやり濡れている。宇治川を渡るとき、平行して走る車の列のヘッドライトやテールランプのオレンジや赤がにじんできれいだった。

 

 ブウはもう向こう岸に渡ったかな。 さよなら、ブウ。

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