ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

谷とも子歌集『やはらかい水』読書会

2018-04-02 21:06:44 | 日記

 きのうは谷とも子さんの第一歌集『やはらかい水』の読書会でした。

 

 桜がどこもきれいで、京阪沿線の窓から、ああ日本の春だなぁと眺めていました。

 

 天満橋の駅でKさんと偶然会って、話しながら会場へ。参加者は35名。パネリストはなみの亜子さん、土岐友浩さん、大森静佳さん、司会は吉野亜矢さん。受付で、どさっとレジュメを手渡されて、多いな、と思っていたら、いままでのこの歌集についての総合誌、新聞、ブログ(ほよほよさんぽみちNEWもありました)などのコピーが入っていて、待っているあいだや休憩時間に読んだりできて、いいなと思いました。

 

 ・ほうと差すひかりにぬれてゆく苔を零さぬやうに眼を瞑(つむ)る

 ・なんだらうこのしづけさはと思ふときほたるぶくろの花のうちがは

 

 などの歌を挙げて、大森さんからは内側に苔やほたるぶくろをとりこむような歌い方や、時間が伸び縮みするような歌に注目されていました。そして、本当の自分は内面化していないのではないか、ということを提示。土岐さんはいくつかの小題を「肯定感」「水の力」「委ねる」「父系」というカテゴリーで読んでいかれて、おもしろい分け方だなと思いました。なみのさんは「自然」「都市」「もの、時間」「人間」という分類の仕方でうたを7首くらいピックアップし、自然の歌よりも都市のほうの歌にむしろ読みどころがある、ということを言われました。

 

 会場発言の時間が多くとってあり、パネリスト、司会、本人以外の30名すべてが4分くらい意見をいえて、結社は関係なく、それぞれがそれぞれの読みやいいたいことを語られたのがとてもよかったです。印象的だったのは、言葉には輪郭がある、分子レベルでは普段から交歓が行われている、自然と都市とわけずにすべてをひっくるめて谷さんの歌として読みたい、というようなこと。

 

 会終了後、川べりの桜を見に行き、記念撮影をし、懇親会へ。

 

 ひとりひとりが谷さんを温かく祝福し、谷さんもひとりひとりに心を配られて、とてもいい時間でした。

 

 谷さん、おめでとう。

 

 

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