このあいだ、父の入院前にゆずを採ることになったとき。
庭においてあった大きな道具箱のなかから、「ゆず用手袋」と鋏をだしてきて、「これを使え」と貸してくれました。
それから、いつもガレージの蛇腹のとびらの開閉は父がしていたのですが、「お父さんがいないとき、自分で開閉しないといけないから、やりかた教えて」といって、
やり方を教えてもらっていました。
いろいろいままで甘えてきたんだな。
父の入院中にゆずをたくさん採って、このあいだの日曜日、退院してきたときに
「きのうもゆず、50個採ったよ」といったら、
「手袋はしたんか。棘で怪我せえへんかったか」ときいてくれました。
「ちゃんと手袋してたから、大丈夫やったよ」
どんなときも私たちのことを心配してくれていました。
このあいだ帰る時、急いでいて、ちゃんと挨拶もせずに車に乗り込んで、いつもなら車のそばまできて見送りしてくれるのに、そのときは母だけが見送ってくれました。考えてみたら、退院した日に外に見送りにこられるはずがないのに。 また、会えるからいいか、と思ってそのまま帰ってきてしまいました。
きょう、父が再入院した、と母から電話がありました。
お父さん、元気でいてくださいね。 週末、帰ったらやさしくしますから。