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いつでも君のこと好きだったよ

月と六百円 真鍋美恵子『羊歯は萠えゐん』と正岡豊『四月の魚』を読む(佐々木朔・睦月都)

2016-07-08 23:05:15 | 日記

 今週は小さい文字、厚い歌集、温かい歌集、A3のネットプリントを読みまわす、というぐるぐるの週でした。

 

 まず、水曜日は月と六百円の会で、今回は真鍋美恵子の『羊歯は萠えゐん』。 じっくり真鍋作品に向き合うのは初めてだったのですが、怖いものから目をそむけがちな私にはがつーんと来た歌集でした。 こんなに怖いものを凝視できて、作品にして固定化するって、どういう強靭な精神持っているんだ、となんだか羨ましい気さえしました。

 

 そして、きょうまでセブンイレブンで200円で読める、佐々木朔さんと睦月都さんのネットプリント正岡豊『四月の魚』を読む。をプリントしたのが3日の日曜日。 A4かと思っていたら、A3で、電車で立ちながら読んでいました。 鞄から出すときにがさがさしましたが、読みだすと集中してまったく気にならなくなるのが不思議。

 

 会社のロッカーに置いてあるのは昼休み読書用の歌集。 今週は三井修『汽水域』。 がっしりした作りの歌集なので通勤に持ち歩くには重く、昼休み用として楽しんでいました。 2Fの男子トイレの前に長椅子があって、窓から差す光の具合もちょうどいいので、お昼を食べたら本を持ってそこへ行くのですが、おじさんばかりが読書している中に紛れて読んでいます。 館内はエコで昼休みは電気が消えてどこも暗いのです。男子トイレの前だろうが、もうそんなことはよくなっています。 老眼がすすんできているので、世界がぼんやりとして、隣におじさんがいたって、本が読めればいいの、という感じです。

 

 それから、平行して夜に読んでいたのが須藤富美子歌集『銀色の「1」』。 とても温かくて、胸の底に眠っていた大切なものが目覚めていくのを感じながら、力をもらうというか、なんだかありがとうって言いたくなるような歌集でした。

 

 それぞれの歌集については後日書くことにして。

 

 真鍋さんの歌集は二人のレポーターが年譜や初期歌集からの流れなどをわかりやすく解説してくださって、葛原妙子や森岡貞香との比較や、真鍋作品の特徴など読み解くヒントをたくさんもらいました。 また読んでみたいな、真鍋作品。 今回私が選んだ3首選は、

 

 ・弾力なき醜さにしてわが前に赤き気球がひき降さるる

 ・目に見えぬ網を誰かが編みをらん夜明けともなき光は充ちて

 ・見しことのあるごとき沼ねむらんとするとき顕(た)ちてその水騒ぐ

 

 でした。 その他の今週の歌についてはまた明日書きます。 眠い・・・

 

 写真は会社近くのたばこやさん。 ちいさな鉾が飾ってあるの、見えるかな。

コメント
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