きょうは晴れていたので、「掃除の日!」と決めて、布団を干したりタオルの整理をしたり、紙の整理をしたり。 すっきり。
うちの家は古いので、昔の家のつくりになっています。家の真ん中に階段がまっすぐ伸びていて、小さな踊り場(?)があって、両側の部屋に入る、という感じです。
その小さな踊り場にはまたちいさな窓があって、それが結構高い位置にあるので外を見るときは少し背伸びをしないとよく見えません。 起きたときに寒くてなんだか白っぽい予感がするときは、わくわくしながらその窓を開けます。 すると、隣の家の屋根の雪がすぐそこにあったりするのです。
夜の廊下に立って、あれ、階段の電気を切り忘れたかなと、いつもだまされるのは満月の夜。 見上げると電燈みたいな明るさでそこに月の影があるのです。 そうしてだだだと階段をかけあがって、うきうきしながら窓をあけると、「やあ!」と満月が煌煌とあって、私は目からその光を呑むのでした。
きょう、干していた布団を取り込もうとベランダに立って、なにげなく外からその小窓をみると、さっきまでタオルを整理していた和室が見えました。
そんなアングルから見たことは初めてで、まるで舞台のワンシーンのようでした。さっきまで誰かがいて(それは私なのですが)、立ち去ったあとの部屋。
箪笥が見えて、その隣の窓からは高校の体育館が見えました。 風の通り道を見たような、私がいま目にしているのは人間ではないものの視線、別の空間から見下ろしているなにかのように思えました。
どこかへ行かなくてもいろんなものが見えるなぁ。
撮影:藤田凌也 2014.11.8