ヒーリングデザイン@メモ

スッと抜けていくそよ風、電気を消して気づく明るい月あかり、ぬくぬく日だまりの縁側。安心して暮らせるヒーリング空間つくり

絵本について  2

2004-10-13 | 若い人からの示唆
 先日、将来絵本に関した所に就職を希望するという、学生と会いました。その学生は自然と共にあることに、真の豊かさがあることを教わった原点は、幼い頃読んだ絵本からではないかと考え、そのことを確かめに、環境教育や自然体験型教育に興味を持ち、普段からそのような活動を行っている活発な学生です。
 自然と接することの楽しみやすばらしさを言葉だけではなく、絵と文字の表現媒体で伝えて行くことの可能性は無限大にあるのではないかと考えて、将来の仕事の糸口を見つけようとしているとのことでした。
 絵本の持つ特別な可能性とはいったい何なのでしょう。先回投稿した  絵本について 1  の時は子供が特別の世界にいるので、率直に物事を捉えて絵本の世界に入っていくので、そこに描いてある、世界をあたかも体験したように感じ、そのことを記憶していて大人になっても絵本を見ると、記憶が自分をその時に誘ってくれるのではないか言う内容を書きました。この記事に対して T.しおりさんから<同感です。絵本は絵でコミュニケーションをとるところが素晴らしい点だと思います。
だから、言葉が異なる世界中の子供たちに、自分の考えやメッセージを伝えることができるんではないでしょうか。
私の親戚の方で、カンボジアの子供たちにお古の絵本をボランティアで贈っている人がいます。とても喜んでいるそうです。
絵本は素晴らしい力をもっていますよね。>との絵本のもつ絵そのものの力についてのコメントをいただきました。
 そして、今日改めて先回の<絵本について 1>の時の若い人と絵本について話をしました。そしてその人はその後、絵本の持つ特別な力について、次のようなすごいことをいいました。つまり<絵本は絵と絵との間、ページとページとの間に読み手は好きなように間をとることができ、その間に自分のイメージを好きなように膨らませて、楽しんでいるのではないか。このことはTVや映画の様な強制的にイメージを押しつけてくる媒体ではではあり得ないことなのではないか。>という内容でした。確かにわたしたちは情報を与えられ続けて自分の自由なイメージを作り出す時間ですら失いつつあるのではないか。そして私達の豊かなイメージの原点である、自然ですら失いつつある現代、環境との共生と絵本という媒体は人というものを考える時、決して切り離せない強い繋がりを持っているのだと改めて認識したのです。

地球の卵

2004-10-12 | 地球環境と空間デザイン
先日、浜名湖岸に建設された<地球の卵>を見学に行ってきました。雨の中でしたが、浜松の駅からバスで45分くらいの場所に約一万平方キロの広大な敷地の中、OM計画株式会社の、未来の環境技術のための実験、研究施設が完成していました。これらは太陽エネルギー、水循環、光触媒、緑化計画、など、将来に向けての技術蓄積ができるように計画された施設群です。技術はいずれ実用化されるべく様々な実験が行われ、より確かな方法を得ようとして、その第2歩目が始まった訳です。この施設を見ての建築的な、又はその時教えて頂いた様々な具体的内容についての印象は、別の機会に譲るとして、今回はその中で気づいた、新しい常識について書きたいと思っています。

それはこの施設の代表の小池氏と話をした内容に関係があります。今中国の環境政策は本格的に進みつつあって、その具体的な技術提供の話も進みつつあるとのことでしたが、例えば中国での携帯電話の普及率は大変なもので、ワイヤードの電話機の普及率を追い越してしまった、と同じ意味で、下水道のこれからの普及を計るよりも個別の浄化槽の普及によってこの問題を解決した方が早い、つまり循環型の水環境社会を計画した方が、様々な点から有利であるということが、現実に進みつつあるのです。
考えてみれば、今この国では電気自動車の普及率は徐々に高まって、タクシーまでガソリン車に変えて電気化しようとしている、つまりガソリンエンジンは技術として完成しているのでその技術開発より電気自動車の技術開発の方が様々な点で都合がよい、という発想と同じだと思いました。水に限らず他の点での循環型手法を取り入れた社会は余分な費用を使わず、いっきに目的が達成できるので、酸性雨が国土の70%を覆う、中国の環境問題はかなりの早さで解消していき、やがては環境技術でも世界をリードするのではないかと考えたのです。
 先日の発表ですと北京郊外に新たに計画されている風力発電所は400メガワットの巨大のものであったり、2020年までにエネルギーの12%をリニューアブルな資源で発電するなど、又砂漠の道路のために400キロに渡って緑化する工事が進行中であるなど、様々な角度から新たな実験や方策が練られているなどの点から、中国の国土そのものが<巨大な地球の卵>になろうとしているのかなと思いながら浜松を後にしてきました。続きを又書きます。