VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

日仏リタイア層の住生活研究

2006年11月16日 | 住宅業界
住文化研究協議会の月次、研究部会。今日は私、リクルート社担当という事で
【アクティブシニアの住み替え事例】として、元リクルート役員の岡崎氏を講師にお招きし
『都心→リゾート地(熱海)への移住』実例をお話頂いた。
 
岡崎氏は現在66歳、(株)リクルート常務およびグループ会社社長なども歴任され
現在はグループのザイマックス社に監査役として3日間ほど東京へ出勤されている。
大阪東京間の転勤5回を重ねながら、
【戸建購入→注文建築→賃貸マンション→マンション購入】という住まいの変遷や
御夫婦で下北沢から熱海へ移住を決定した経緯などを、写真を交えてお話頂いた。

熱海への移住については、趣味の『釣り』『ガーデニング(広いバルコニー)』と『交通(駅前・関西からも立ち寄り易い)』
それと、住戸の間取り(2LDK・148㎡、念願の『書斎(15畳強)』)が、房総や川奈など他の検討エリアに勝った所と。

印象深かったのは、今までの住宅取得タイミングはほとんど悪運を受け入れた結果であり
“運は、運ぶ”と文具のコクヨ社2代目社長に言われた事を実感されたという。

また、尾関宗園・大徳寺住職の「ひとつ、この際・・・」という程度の思いで行動を起こす事で道が拓ける
という教えを実践されているという事。(今日の講演も、気安くお引き受け下さった)

我々の研究会で「住み替えを決意させる“一念発起”って何だろう?」と話合った疑問を
「そんなに強い思いでは無く、“ひとつ、この際”という感じ」と、解いて下さった。
これは確かに、今までの他事例のヒアリングでも感じる印象である。


続いて今日は、Vivien研究員からも【アクティブシニアの住まい方事例】として
『リタイアメントカップルの住まい~成熟社会フランスの事例~』を発表した。
 
8月~9月に訪問したフランス知人のリタイアメントパーティへ行った際、
30才代~80才代、7軒のお宅に訪問してきたので写真を中心に感じ取った内容を報告。
一応、大使館の統計資料でお勉強した内容も!
ちなみに、フランスの住宅は平均値ではあるが
戸建[108㎡]、集合住宅[65㎡]と日本と同レベルであり、アメリカより参考になる部分も多い。

貯蓄より不動産への投資も活発で、[別荘]所有率は約10%。ここは日本も目指したい所。
私の知人Gastel夫妻も、今回初めて知ったのだが・・・パリに4軒アパートを持っていた!?
私はいつも使わせて頂いている1軒だけだと思っていたら、他3軒は賃貸中。

Ouessant島にある別荘も、2軒の内1軒は民宿貸し。
なので年金(奥さんは57歳なのでまだ貰えない)以外の収入が十分にある。
彼らは上位10%の層、という気がする。

ただ、日本のシニアにも共通する趣味中心の住まい(庭・知人を招いての食事・ホームシアター・体力づくり)の要素もあり
規模・形は違えども、アクティブシニアへの提案要素の参考になる。

日本でマルチハビテーションの可能性はどうだろうか?
上位10%層の5%は特殊層なのでマーケッティングにのらないとして“5%”の需要はあるだろう。
その層に、何軒買ってもらうかが勝負かなぁ・・・・・


コメントを投稿