VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

野村不動産の資産運用事業

2007年03月13日 | 住宅業界
日本不動産ジャーナリスト会議の勉強会、今回は野村不動産野村不動産ホールディングスの広報IR片山部長の
    
「J-REIT2本、私募ファンド多数と6000億を超える運用規模になった 」資産運用事業のご紹介に続き

資産運用カンパニーの榎本運用企画部長のレクチャー、まず『最近の不動産証券化市場の動きについて』。

日本の不動産投資マーケットが、規模的にも利回り的にも魅力的である現状を解説して下さった。
既に[10年国債]が[REIT]の利回りを上回っている米国・豪州に対し、日本はまだ1%以上のイールドギャップが確保できていること
 
また、地価の推移を株価・GDP・商品指数と共に、為替変動をドル換算で加味したグラフ(上左)で
マーケットの1/3を占める外国人が見る日本市場の感覚を表し、‘土地を輸出入する’考え方が現実になっていると。

日本の不動産証券化市場は約7兆円規模に成長したが、それに準じて住宅への投資も増加している。
上から2004・05・06年の推移、赤が[住宅]青の[オフィス]が減って[複合型]のシェアが高まる

私は毎回不動産証券化市場の話を聞く度に不安になるのは、住まい手側のニーズをどこまで考慮した運用なのか?という事。
利回り重視で、狭い空間に設備や構造までがコストセーブされた賃貸住宅は将来、負のストックとなりはしないのか?
豊かな住生活を目指して制定された住生活基本法に逆流する、資本主義の勢いを感じざるを得ない。

都心のオフィスは住宅にコンバージョンできても、賃貸住宅は潰しがきかないのでは…

気になったのは、[不動産の流動性]と紹介して下さった数字。
売買代金回転率が米国市場で全体平均2.0%の中で、賃貸住宅は1.3%と低い事。(オフィスは3.4%)
米国ですら住宅系の流動性は低いようなのである。

REITも第2ラウンドに入って、玉石混合から整理が進むであろうが
やっぱり、住宅は良質なものを供給してこそ運用成果が上がるような市場になって欲しいのもだ。

そんな私はBRICsや天然エネルギーへ投資はしても、REIT系への投資は頑なに避けてきた・・・これまではスゴク良かったんだけどねぇ。


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