VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

‘ミスター円’の講演

2006年07月20日 | 住宅業界
【写真左:ミスター円こと榊原氏の講演会。  右:講演会後の懇親会では、三國陽夫氏のご挨拶も】


(株)日本建築センターが主催する【住まいの産業ルネサンス塾】の
定時総会に併せて講演会が開催された。

講師は、‘ミスター円’こと榊原英資氏(元財務官、現早稲田大学教授)。
「日本経済を展望するー内需経済の行方ー」と題して1時間半、一切資料無し
話題を脱線しながら、ゆっくりと親しみやすいお話ぶりのご講演。
(昨年のリチャード・クー氏は、資料しっかり無駄の無い話術は留まる所知らず。対照的な印象)

講演では、“構造的”には回復した日本経済を強調、来年も最高益を更新すると。
“循環的”には世界経済が減速局面を迎え、年末に向けいつ米国&中国の減速を注視。
ただ為替においては、10年前の$1=¥100が現在の$1=¥120が同レートという解説。
(10年で、米のインフレ20%:日本0%)

それよりも懸念されているのは、21世紀の経済競争は“差別化”であり
『日本らしさ』こそ、最強の要素であるのに
日本人がなかなかそれに気がつかない、活用できていないという事。

これは国際的に活躍されている榊原氏であればこそ、強く実感される事であるが
基本的に幼少時代から国外へ出る機会の少ない日本人が、それを実感する難しさもある。
違う民族と接する事で、日本をもっと知りたくなる
或いは、知らなくて恥ずかしい目にあって、自分の国を探求するものだったりするから。

また、“民僚”と言う言葉で、官僚化している大企業の経営者達にも一言。
リスクを取らない経営、許容度の無さが活力を殺いでいると。
(それはマスコミの責任でもあると言うが・・・私は、疑問有り)

21世紀、無形(知的)資産が差別化の礎。
それは優秀な“人”の奪い合いが、世界レベルで起こるという事のようだ。