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没【monogatary】お題「10分間の恋」書き出し

なんかタレントとのコラボのやつ。

見切り発車で書き始めたはいいけれども、話が全然思い浮かばなかったので潔く没にする。

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 理想が高すぎる、というのはある。別に、これくらいの身長でなければダメだとか、年齢はこれくらいまでだとか、学歴がどうのこうの、胸の大きさが、髪の長さが、こういう雰囲気が……というのは確かにあるけれど、それはあくまで意識の表層をなぞっているだけ。
 恋愛なんてものは、結局のところタイミングもあれば、無意識がしゃしゃり出てくることもある。気持ちが冒険よりも安定に転ぶことも。

 理性で恋愛ができれば苦労はないのだろう。

 色恋は面倒臭い。
 何かにつけ、「偉い」「すごい」「あなたは特別だ」と、最近は他者にそう言えない方が野暮という流れになっていて、取り残されたくない奴等は自分の中でも定義できちゃいない「自己肯定感」だの「承認欲求」だのを満たすために中身もない価値もない易い気休めを繰り返す。
 そう、自分には価値があり、唯一無二で、特別なんだと思い込めば、そんな「すごい自分」の選ぶお相手もそれ相応でなくてはならなくなる。
 自分が特別なんてことはない。もし特別なら、運の巡り合わせだ。神とやらがいるのなら、籤(くじ)でも引いているのさ。今日は死ぬやつは誰?今日ハッピーになるやつは?
 そこからレールが決められ、多少の努力で明日が決まる。
 
 で、今日の俺は、まだ神の見えざる手に引かれることなく燻(ねむ)る籤の箱の中というわけだ。


 理想に縛られて、妥協することも俺に赦されていない俺は、現実的な恋愛というものを諦めかけなければならない。理想的な色恋にしがみつきたいのなら仕方がない。


***

 このあと年上の黒髪ロングの美女に一目惚れする予定だった。そしてカレシが来て、負け惜しみを言って終わるつもりだった。

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