ビスケットのあれこれ

ビジュアル言語ビスケット(Viscuit)に関するあれこれを書いてゆきます.

ビスケットに算数を教える(1)

2011-06-09 23:53:03 | 1
ビスケットで教えるではない,「に」である.


まずは,最強集団みどりっ子のAちゃんの作品.


左右の矢印で砲を動かし,1ボタンで弾がでる.当たると1点か3点の得点になる.重要なのはこの得点の絵が消えずにずっと残っているところ.残っているんだったら,たとえば1点と1点が重なると2点になるという計算するメガネを作ってもいい.

というわけで,この作品に触発されて僕が作ったルーレット


1ボタンでミサイルが出て,ルーレットに当たる場所によって点数が出る.出た点数が二つ重なると,その点数が合計されたものになる.たとえば1点と1点が重なると2点になるし,-1点が当たると減る.最終的に10点が作られると終わりである.数字は全部部品にしてあるわけでなく,-1,0,1,2,3,4,5と10を用意してある.

最初に,基本的なメガネだけを作った.1を足すのと,1を引くの.

1と1が重なると2になる.
1と2が重なると3になる.
1と3が重なると4になる.
1と4が重なると5になる.
-1と5が重なると4になる.
-1と4が重なると3になる.
-1と3が重なると2になる.
-1と2が重なると1になる.
-1と1が重なると0になる.
0は消える.
それから
5と5が重なると10になる.

一応,これだけでも動くはずだが,実際にやってみると,画面は2や3だらけになって,なかなか5が誕生しない.そこで,2や3の足し算も教えることにした.

2と3が重なると5になる.

答えが6,7,8,9になる計算もあるが,それは二つの部品で作ることにする.たとえば,
4と4が重なると5と3になる.
である.とにかく5ができないことには.5が二つできてやっと10ができる.

もちろん,ただできるだけじゃダメで,それらの数字が画面を動いていて,ぶつかったときにだけ反応するので,見てて楽しい.

めがねを見やすく並べなおしたのはこちら

(画面を縦長にすると,下の方のメガネが見える.数字が重なるのも見難いので,ずらして置いてある.なので数は重ならなくても,近づくだけで足される)

さて,ここで僕は何をやったことになるのだろうか.ビスケットに算数を教えたと言えないか.

ほとんどのコンピュータ,プログラミング言語には,最初から加算の方法は入っている.だからそれをわざわざ教える必要はない.しかし,もともとコンピュータというのはシリコンチップの上の電子の流れが沢山集まっているだけで,そいつらが加算を知っているわけではない.いろんな階層があるなかで,どこかで誰かが加算の方法を教えたからできるようになっているだけだ.

僕が普段から,口をすっぱくして言っていること.「コンピュータは便利な道具だからすごいんじゃなくて,何でも作れるからすごいんだ」というやつ.コンピュータの便利さ第一号が正確な計算だったわけだけど,ビスケットではその便利な計算がわざとできなくしてある.それは,何でも作れるということを直感で知るためのツールだから.足し算を作る楽しさを奪っちゃダメなんだ.そして,こうやって足し算は簡単にコンピュータに教えることができるのでした.

さて,算数の問題に戻ろう.6,7,8,9という数字が無かったために,ちょっと苦労した.じゃあ,これらの数字も加えてしまえばいいのだろうか.そうすると,メガネの数はもっと多く必要になる.数字の種類を増やせば増やすほど,それらの組み合わせのケースを考えなければならないため,2乗で増える.

僕が用意した,1,2,3,4,5,10という数はあんまり効率は良くなかった(沢山のメガネを必要としていた).では,逆にどういう数字を用意しておけば,もっと少ないメガネにできるだろうか.コンピュータの専門家ならすぐにわかることだが.すぐに教えたらもったいないので,次のブログに書く.

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