俳句の箱庭
「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次)
◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。
◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。
◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次
○次元俳句483・背後(空間)11・依光正樹01・2020-06-14(日)
○「うしろより婆が来るなり余り苗」(依光正樹01)
○季語(余り苗・仲夏)(→「blog俳句空間-戦後俳句を読む」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:婆のほうが爺よりも長生きであるが、俳句の世界でもはるかに多く句に登場する。当Blogでも→「日向ぼこよりすっぽりと老婆が抜け(榎本冬一郎)」、→「本堂に婆が片寄る寒さかな(阿部静雄)」、→「米一俵ほどの満月老婆の旅(北原志満子)」、→「婆よりも先に逝きたし綿虫湧き(星野昌彦)」→「姨捨の深雪の底の炬燵婆(藤岡筑邨)」、→「梅漬けて元の婆へと戻るなり(田中不鳴)」、→「駄菓子屋の日除けの奥に婆棲めり(玉城一香)」、→「秋の蚊の後生詣での婆に憑く(島田秋芽)」、→「髪染めて社日の老婆誘い合う(大中祥生)」と今回の句で10句を数えるが、「爺」の方は拙句・→「レジ袋不要の親爺着膨れて(透次)」の1句のみ(「老人」も男性と判断できるが除外)。しかもどの句の婆も、老かいとさえいえるほど生き生きと描かれている。掲句の、背後から余り苗へ近づいて来る婆はかくしゃくとして農事に勤しんでいる。
○依光正樹(よりみつまさき)
○好きな一句「夕立や幽けき廊下ゆくところ」02
○季語(夕立・三夏)(引用同上)
【Profile】:1962年千葉県出身。「屋根」会員。東京都江東区にて「クンツァイト」主宰。