切られお富!

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『あの胸にもういちど』 ジャック・カーディフ監督

2015-11-24 23:31:17 | アメリカの夜(映画日記)
小泉今日子の書評集でも取り上げられたマンティアルグの小説『オートバイ』の映画化で、あのマリアンヌ・フェイスフルが全裸に黒革のバイクスーツを身にまとい、アラン・ドロン演じる愛人の元へバイクで疾走する!『ルパン三世』第一シリーズの峰不二子のイメージは、この映画から来ているとか!ということで、よいです。おすすめ!

マリアンヌ・フェイスフルといえば、最初はアイドル歌手でミック・ジャガーの恋人だったこともある人ですが、この映画の頃くらいまでの可愛いイメージはその後消滅。いまやドスの利いたしゃがれ声に貫録のある姿で、還暦過ぎに出演した『やわらかい手』を観た人には、同一人物だと思えないんじゃないですかね~。でも、この頃はほんと可愛いんですよ。今でいうと、清水富美加みたいな感じかな~。

固い教師の婚約者~夫がありながら、アラン・ドロン演じるサディスティックな男との不倫を続けるヒロイン・レベッカ。男との快楽が忘れられず、黒革のバイクスーツを素肌に着込み、レベッカはバイクで男の元へと早朝バイクを走らせます。

監督兼カメラのジャック・カーディフといえば、パウエル&プレスバーガーの『黒水仙』やジョン・ヒューストンの『アフリカの女王』なんかで知られる名カメラマンですが、いつしか監督業にも進出。この映画も、カメラマンらしい疾走感あるアングルの映像で始まり、1968年公開作品らしいサイケ調の視覚効果は多少ウザいながら、幻想や記憶を疾走するバイクシーンにつないでいく編集もなかなかなもの。

個人的に面白かったのは、島国日本では想像しにくいバイクでの越境シーン。パスポートの提示を求められるくだりって、空港と同様、そっけないんだな~と思いました。

しかし、なんといっても、わたしが感動したのは、ヘルメットを脱いで疾走するヒロインのバイク機乗シーン。風を受けるマリアンヌ・フェエイスフルの表情が何ともよいんですよ。

こういうインディペンデント映画を日本でも撮ってもらいたいものですよ。中高生のイジメみたいな話ばかりじゃなくてね~。

ということで、たぶん、小泉今日子もこの映画好きだろうなあ~。


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