切られお富!

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坂東玉三郎が25年ぶりに泉鏡花の名作『日本橋』に挑む!

2012-08-30 00:07:26 | かぶき讃(トピックス)
玉三郎の『日本橋』は舞台映像でしか観ていなかったので、今回の公演は楽しみ。でも、これが12月ということは、今年の顔見世は出ないってことですよね~。1月の玉三郎はどうするるんだろう?ル・テアトル銀座も来年5月で閉館ですけどね~。

・坂東玉三郎が25年ぶりに泉鏡花の名作『日本橋』に挑む!

泉鏡花の『日本橋』といえば、市川崑監督の映画版があって、

*(括弧内は今回の舞台の配役)

お孝=淡島千景  (玉三郎)
清葉=山本富士子 (高橋恵子)
お千世=若尾文子 (斉藤菜月)

という凄い配役だったんですが(ちなみに助監督は増村保造)、映画的には造形美を狙いすぎていて、もうひとつ傑作とは言いがたい。

やはり、この原作は映画より舞台の方が合っていて、玉三郎の芸者は下世話なんだけどいやらしくなく、実によいんですよね~、台詞が涼しくて!

なので、新派の舞台なんかにもっと出て欲しい気がするんですが…。

ただ、玉三郎と泉鏡花モノっていうと、玉三郎の高尚趣味が災いして、うまくいってない舞台もありますよね、たとえば「山吹」とか…。原典忠実主義の弊害というのか、「高野聖」なんかも、わたしにはもうひとつ…。

(以前書いた劇評)
・七月大歌舞伎「夜叉ヶ池」「海神別荘」 昼の部(歌舞伎座)2006年
・七月歌舞伎座(昼の部)「五重塔」「海神別荘」2009年


「天守物語」が成功しすぎているということもあるんですが、原典から程度よく離れて演出主義的にいかないと、泉鏡花モノは今の観客には難しいんじゃないですかね~。

とはいえ、「戦国茶漬」なんか玉三郎演出で復活させてほしいんだけど…。

ということで、とりとめもなく書きましたが、12月の舞台を楽しみにしております。

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