切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

ストーンズの歌詞検閲は是か非か?

2006-02-11 03:01:43 | カメレオンのための音楽
ローリング・ストーンズが「スーパーボウル」のハーフタイムショーで三曲を演奏した際、テレビ局側が「過激な歌詞」の一部をカットした。この件をめぐっては、あらかたのブロガーが検閲はナンセンスという論調のようなんだけど、そもそもどの単語をカットしたかについては、案外語られていない。そこで、わたくし、切られお富が、拙いながら当該の歌詞を検証してみることにした。

当日演奏された三曲は、「スタート・ミー・アップ」「ラフ・ジャスティス」「サティスファクション」。そのうち、検閲をくらったのは、「スタート・ミー・アップ」と「ラフ・ジャスティス」。で、問題の歌詞はというと…。(赤字部分がカットされました。)

①You'd make a dead man cum/come.(Start me up)

②But now I'm just one of your cocks(Rough justice)

まず、①からいくと、cumまたはcomeは俗語でオーガズムの意味だそうだ。そもそも、問題の歌詞は、"you make a grown man cry"という歌詞と韻を踏む形で出てくるわけだけど、この"you make a grown man cry"というのがそもそも、居酒屋のオヤジの猥談みたいな歌詞ではあるんですよね~。というより、今回改めて、「スタート・ミー・アップ」の歌詞を読んで考えてしまったんだけど、この歌って、中3、高1レベルの英語なんだけど、多少ロックの歌詞を読んだ事のある人ならすぐわかる、思いっきりエグいセックスネタの歌詞なんですよね。それも、バカなガキかセクハラおやじレベルの。

☆スタート・ミー・アップの歌詞

ところで、①の意味なんだけど、わたしは死姦のことかと思ったんだけど、「同性愛」なんて書いてるところもあって、本当のところは不明?ご存知の方は教えてください!

因みに以下の英語の記事では死姦のことっていってるようですが…。
NFL Edits Out Explicit Stones Lyrics

次に②ですが、これはそのまんま男性器のこと。"I was your little rooster."という歌詞のrooster(雄鶏)を受けて、同じく雄鶏の意味だけど男性器のイメージの強いcockが使われているという寸法。

要するに、全国放送で検閲される理由のある歌詞ではあるんですよね。だから、昔、ストーンズが"Let's spend the night together"をエドサリバンショーで演奏した際、歌詞を"Let's spend sometimes together"に変えさせられたって話があったけど、あの時とはちょっと同列に論じられないかなって気もするな~。(このあたり、英語ネイティブじゃない日本のストーンズ・ファンが、安易に「ロック版・表現の自由」を語るのはどうなんだろう?)

で、わたしの感想としては、今回の一件ってたぶんヤラセだと思うんですよね。ジャネット・ジャクソンのおっぱいの件もあったし…。おそらく、話題づくりとして大物バンドの出演を依頼、ストーンズも一応承知の上での検閲パフォーマンスだったのではっていうのがわたしの推測。(もっとも、ミック・ジャガーは否定してるけど。)ストーンズにとっても、大イベント「スーパーボウル」に出演してツアーの宣伝にもなるし、ちょっと検閲ネタで「不良」イメージを売れる一方、主催者側だって話題づくりになる。そもそも、危ない歌詞が絶対イヤならストーンズなんか呼ぶわけないしね。

それに、だいたい、還暦ロッカー・ストーンズが今のロックシーンで過激な存在だと思っているロックファンなんていないでしょ?

というわけで、わたしは素直にストーンズの不良オヤジ伝説みたいなものには乗りません。むしろ、あざとい商売人ミック・ジャガーの根性に感心するな~。

というわけで、言い訳じゃないけど、一応ストーンズ、好きなんですよ!わたしの好きなストーンズナンバーはココをどうぞ!

ストーンズの過激歌詞カット 「スーパーボウル」ハーフタイムショー (産経新聞) - goo ニュース

☆参考文献
(わたしが俗語に興味を持ったのは、中学生の頃に好きだったマービン・ゲイ&タミー・テレルのCDがきっかけ。黒人モノは文法からして破格ですからね。語学力はあんまり向上しないけど、下手の横好きってところか…。)
ヒップホップスラング―セックスからインターネットまで

ベストセラーズ

このアイテムの詳細を見る


アフリカン・アメリカン スラング辞典

研究社出版

このアイテムの詳細を見る

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バチ当たり仏像ドロの最期! | トップ | 「JapanTimesWeekly」に市村... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

カメレオンのための音楽」カテゴリの最新記事