アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

疑問を持たざるを得ない沖縄での元米兵による強姦事件

2016年05月23日 | 社会・人生について
先日、また沖縄でアメリカ人による強姦により、20歳の女性が殺害されるなんとも痛ましい事件が起こった。遺族の方が今、どれ程の深い悲しみの中にいるのか想像を絶するが、このような痛ましい事件はなかなかなくならない。日本政府や、アメリカ政府がその対策に未だ本腰を上げていないこともあるが、しかし、所詮、仕事の外において個人でやってしまうことに関しては、そこまでコントロールできないのが現実なので、対策を打つにも限界があるだろう。もちろん、最大限の努力をする必要はあるが。

しかし、今回のこの事件で、おや?っと感じた人は少なからずいるかもしれないが、今回の事件は、現役の米軍兵によるものではなく、「元米軍兵」によるものである。つまり、逮捕された犯人はアメリカの軍兵には属していない人だ。彼は、ローカル採用、つまり、民間企業によって採用され、米軍基地で勤務している人間なのである。にも関わらず、テレビやインターネットなどの報道の仕方を見ると、米軍による犯罪、と書かれている記載が目立ち、「またアメリカ兵か」という印象を国民に与えてしまっており、結果、沖縄県民の感情を更に煽りたててしまっているように思う。

その犯人は、米軍人ではないとはいえ、米軍基地で働いている以上、日米地位協定の適用範囲内である軍属の立場とされるため、軍による犯罪と言われても仕方ないところがあるかもしれない。しかし、厳密には、その犯人は、軍とは直接関係のない人間なので、アメリカ軍には責任はない。責任を問うとすれば、犯人を雇った民間企業が責任を負うべきだろう。

通常、勤務時間内でもし犯罪・事件などが起これば、その人を雇っている会社が責任を問われることになるだろう。しかし、今回の場合は、勤務時間外で起こったことであり、採用した会社とは関係のないところで行われたことなので、その民間企業に責任が問われることはない。従って、今回の強姦事件を起こした犯人は、日本の法の下で彼は裁かれることになる。

そういうところを、日本のマスコミはきちんと報道しないで、米軍による犯罪だと言わんばかりに誇大報道しているようにしか見えない。

この犯人や、犯罪を犯したアメリカ兵を擁護する気は全くないが、よく考えてもらいたい。日本人による性犯罪は、アメリカ軍関係者による犯罪よりも圧倒的に多いのだ。犯罪白書によると、日本人による強姦事件は、年間数十件にのぼっており、警察に届けられていないものも含めるとその数はかなり多いことが推測される。しかし、その中で実際に世間で騒がれているものはごくわずかな為、日本人による性犯罪がまるで少ないように思われているのだ。

また、これは警視庁の犯罪統計資料によるものだが、在日外国人による犯罪数で、最も多かったのは、韓国・朝鮮人によるもので、その件数はなんと3,994人で、ほぼ4千人に近い(2012年統計資料による)。なんと在日全体の60%近くを占めている。その次が中国人の1,252人で、アメリカは5位でその件数は187人と、上位と大きく差が出ている。つまり、在日アメリカ人による犯罪は、全体数で考えるとかなり少ないのだ。

もちろん、人の命の重みを考えると、4千人だろうが100人だろうが、どちらも多い、多すぎる、とも思われる。しかし、何故、他の国籍による犯罪が、アメリカ軍基地関係者による犯罪に比べて、そこまで騒がれないのだろうか?人の命を考えると、どの犯罪も同等に扱われるべきであるのに、何故、沖縄の基地関係のことになると、ここまで騒がれなくてはいけないのか?

先週、テレビの報道ステーションの番組で、この事件が取り上げられていたが、男性コメンテーターがアメリカ軍基地関係者によるこれまでの犯罪数を述べていた時に、「日本の犯罪数のことを上げると、これは別議論になりますので、ここではとりあげませんが....」のような言葉を発し、正直、驚いた。何故、日本の犯罪数を述べようとしないのか?どんな理由で、米軍による犯罪と、日本人による犯罪は別物として扱う必要があるのか、まったく意味不明である。

どうも日本のマスコミは、米軍=極悪人、という図式を作りたがっているようにしか思えない。私は以前、知り合いを通じて横須賀基地に行ったことがあったが、そこで会った米軍兵の人達はとても良い人達で、初めて来た私に対して色々と親切にして下さった。おまけに、一度も会っていないのに、基地の場所が分かりにくいからと言って、あるアメリカ兵がわざわざ私を駅まで迎えに来てくれて、感激したのを覚えている。

大勢いるアメリカ軍の中で、実際に犯罪を犯す人はごくわずかなのに、少数による犯罪のせいで、彼らまでが悪者扱いにされてしまっては、彼らも居たたまれないだろう。

良い人、悪い人は、国籍に関わらず、日本人、アメリカ人、中国人、全世界の中でもいるのである。アメリカ軍だから、というフィルターを通して報道するのは非常に危険であり、また、その報道を我々がそのまま受け止めて、沖縄を理解するのは非常に危険である。

日本のマスコミは、何故、事実は事実として冷静にきちんと判断して、国民に誤解を与えないように正確に伝えようとしないのか?マスコミの役割はそもそもそういうものであり、あくまで中立の立場を貫くことではなかったのか?最近の日本の報道を見て思うのは、事実をねじ曲げて誇大報道をして、何だか日本のナショナリズムをやたら煽り立ているように感じるのは私だけであろうか...?

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