草食系日本人が思うこと

あの、実はベジタリアンなので草食系と…、適当すぎてスイマセン。でもほら草食恐竜でも強いヤツいたでしょ? トリケラ…

オカエリナサイ2

2010年06月14日 02時43分03秒 | その他
はやぶさの最後のミッションは完璧だった。
回収カプセルを地上に送る。自身は燃え尽きて、地球の大気に還った。
20km×200kmもの着地エリアを確保したが、
予定ポイントをたった1kmずれただけでカプセルも帰還した。
回収ヘリが目視で確認できるほど、予定通りだったわけだ。
第2宇宙速度で地球に突っ込んでくる物体を、
計画通りに予定の位置に置かれたのを目の前で見たNASAは、
きっと腰を抜かしたことだろうw

ここ数日、頭の中は「はやぶさ」のことでいっぱいだった。
今もそうだが、なんでこんなに引きつけられるのだろうか。
もの言わない彼の7年間に及ぶ帰還のための努力は、
もはや機械のレベルを超えて、
何か人格的なものを獲得したかのように、
私たちの心を打つからなのかな。

実際に、彼は自立したシステムで独自に判断しながら、
仕事をする能力があったから、
状況に応じた対応をしてきた。
指令室の判断に加え、彼独自の判断があってこそ、
こうして帰ってこれたのだと思う。

だから「はやぶさ」は地球に帰りたくて帰ってきたのだ。

必ずサンプルリターンを成功させようと必死に帰ってきたのだ。
エンジンもその他の装置も、記憶装置までボロボロ状態でも、
ふるさとに帰りたい一心だったと思い、
我々が泣けてしまうのはしょうがないのだ。

彼の撮影した最後の写真。
涙が止まらない。
カプセル放出後、姿勢を動かしてカメラを地球に向け、
5~6枚撮影したらしいが、最後のこの写真以外は真っ黒だったらしい。
唯一写したこの写真も、最後の部分のデータが途中で切れている。
霞む目で、思うように動かないシステムやカメラで撮った、
渾身の一枚なんだと思う。

なんか、地球がいとおしくてしょうがないというような、
せつない気持ちが一杯の写真だと思う。

彼のミッションが順調だったら、2007年の段階で地球に戻り、
サンプルを地上に送り、自分はまた別の星の調査に行く予定だった。
でも、もしかしたら、イヤだったのかもしれないw
永遠に宇宙を旅するミッションを拒否し、最後は、
燃え尽きようとも、ふるさとへの帰還を望んだのかもしれない。

彼はさっき、地球の大気に溶けて消えた。
ジェット気流に乗って、世界中に広がってゆく。
そのうち雨になって、世界中の山や野に、海に、そして街に
静かに降り注ぐのだと思う。

はやぶさ、おかえり。お疲れ様。そして、ありがとう。
日本は梅雨に入ったよ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿