野菜ソムリエPro. AndyのBlog

「奈良・吉野」の玄関口を中心に活動する、吉野郡唯一の野菜ソムリエPro.&果物ソムリエのベジフルライフをつづっています。

ヤマトの発祥は徳島県?

2011年03月24日 22時35分05秒 | 野菜&果物
日時は遡りますが、3/6(日)
奈良県香芝市にある
香芝市ふたかみ文化センターで、
「ヤマト王権の成立と阿波忌部」という講演会がありましたので、
参加してきました。

参加のきっかけは、
野菜&果物の役割の根源を知りたく思ったからです。

野菜&果物は、ご承知の通り、
私達の食生活に欠かせません。

しかし、神聖な役割も担っています。

例えば、日本においては
仏壇には季節に応じたその時の野菜&果物をお供えします。
お盆なんかそうです。
また、神社や寺社で行われる年中行事でもそうです。

日本に限らず、海外でもそうです。
例えば、玉ねぎは紀元前5000年以前にペルシャでは一種の神符として、
古代エジプトの時代には神聖なものとして扱われてきました。

ところが、現在はそういったことを意識しているでしょうか?
なぜ、この野菜?なぜこの果物?

聞いた話ですが、
最近、伝統行事の伝承において品目しか伝わっていない。
なぜその野菜、果物なのか伝わっていない。

その為、いつの間にか伝統や文化が廃れ、
気がついたら昔から決まっているはずの野菜が、全然違うものをお供えしている。
(どうしても調達不可能なら仕方ない部分もありますが…)
中にはお供えしたらタブーなものもあり、慌てて…。

そういうことも起こってるらしいです。

日本の伝統行事や日本ならではの文化の衰退も、
ここにあるのではと思いました。

野菜&果物を通じてこういった情報も見直すときでは???

そう考えていたわけです。

そこで、まずは自分の住んでいる奈良県から
見ていこうと考えていました。
すると、高松の知人の方からお電話で、
このご案内を頂き、参加となったわけです。

講師の先生は
阿波歴史民族研究会 林 博章氏
阿波忌部・国重要文化財三木家当主 三木 信夫氏

講演の内容を以下に簡潔(?)にまとめます。

1、徳島県は特色のある県「阿波国」
・近畿に情報を発信する県
・忌部王国
・南北文化の力を集めた
・日本の養蚕、穀物起源伝承(稲、粟、小豆、大豆、麦)を持つ神唯一の国
 伊勢神宮の神にも関与している。
・日本で唯一の穀物神(食物神)が国名となっている。
 阿波(あわ)の名前の由来は粟(あわ)。
 吉野川に粟島という島があり、ここではかつて粟が良く育ったことから
 粟島という名前に。

現在も、女性社長日本一の県が、「徳島」だそうです。

2、忌部(族)とは?

けがれを忌み清める集団。
特徴としては、農耕民族であり、自給自足生活を行っていたそうです。
また、フロンティアであり、共同意識が強かったそうです。

古代から大和王権の祭祀を中臣氏と担当。
その証拠として、奈良の古墳(遺跡)で発見されたものと、
徳島の古墳(遺跡)で発見されたものが酷似しています。

阿波忌部が阿波国を開拓。
その際、粟を植えたことで粟島→阿波国の名が誕生となりました。
また大和政権の成立直前である3~4世紀に日本各地に進出して麻・穀類を植え、
農業、養蚕、織物などを伝えた祭祀族、海洋民、産業技術集団の役割も担いました。
それが、大和王権の成立の立役者となったわけです。

また、大和王権成立直後は大和王権という名がなく、阿波勢力だったそうです。

奈良・橿原市に忌部という名称がありますが、
これも、徳島の忌部の可能性があるそうです。

また、阿波由来の神社が各地に存在していますが、
存在している都道府県が、農業が盛んな県、
あるいは特産物が存在する県だったりします。

例えば、栃木、千葉には「安房(あわ)神社」がありますが、
どちらも農業が盛んな県。
三重の伊勢神宮も、阿波忌部が関与しているそうで、
ここにはヤマノイモの一種の伊勢イモがあります。

3、阿波勢力について

2011年に奈良県の纏向遺跡でタネや土器が発見されました。

発見されたタネは、桃、麻、楮、粟、エゴマ、ヒョウタン、ウリ、ささげなど。
楮は阿波忌部も実際に使っていました。

エゴマは徳島では中世まで大産地だったそうで、
奈良漬で有名なシロウリは徳島が知る人ぞ知る産地だそうです。
(ただし、シロウリは10世紀に伝来という情報もあります。
 どのように阿波国に伝わり、奈良に伝わったか、またその情報との関連性については
 現時点では不明。)

これは上述のことから阿波国由来のものであることが確認されています。
また、タネはそれ以外にも発見され、さらにはタイ、アジ、サバも発見されています。
これらについてもこれから調査を進めていくそうです。

また、阿波忌部族の根拠地の1つである吉野川市(旧・麻植郡)は、
中世まで種野山と呼ばれていました。
現在でも、種穂山、種穂忌部神社、種野盆地といった名称が残っています。
一方、関西では大和川下流にある住吉大社に摂社「種貸社」が存在。
また、「多米神社」もあります。
       ↓
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つまり、阿波勢力の大和王権進出では、種の供与が介在していた可能性が
あるそうです。

* * * * *

今回、講座に参加させていただいて、
野菜&果物がどういった神聖な役割を担っているかは分かりませんでしたが、
大和王権の発祥が阿波国であることを学び、興味が湧いてきました。

現在、野菜ソムリエ協会大阪支社でも
野菜ソムリエの方々で「なっ!とくしまソムリエが送る」と題して
徳島が特産の青果物に関するイベントを企画、実施されていますが、
徳島県の農業や青果物に着目すると、神聖な役割が見えてくるかもしれません。

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