2020年6月、道証地蔵近くの橋から3人で入渓したが、その時は大滝のヌメリが甚だしくやむなく敗退した。その時以来、いつか再挑戦の時を待っていた。今回、その時のメンバの一人と偶然行けることになり、梅雨時期の中、すっきりしない予報であったが、何とか懸案を突破し、念願を叶えることができた。この日、他に遡行者は見当たらず、静かな沢登りであった(並行する登山道には滝子山に向かう登山者でそれなりに賑わっていた)。
いつものように、笹子駅に7時過ぎに着き、ここに来たら私の「ほぼお約束」になっている5個入り笹子餅500円を買い求め、滝子山への道標に沿って山中に入っていく。
▼最近よく来る道証地蔵(8:10)
▼今回は沢下部は割愛し、沢左岸から右岸に渡る登山道の橋から遡行を開始(8:30頃)。
▼入渓してすぐの滝に右から取り付いたが、水量が多く全身ずぶぬれになりそうだった(また水の冷たさに慣れていなかった)ため断念し、左側から簡単に巻く。
▼前回来た時に比べても水量がだいぶ多いのを感じた。また、河床の所々に砂金のような輝きを見たのだが果たして?
▼前回敗退した2段12m大滝が見えてきた。
▼ここも前回同様、水量は多く、辺りは水しぶきによる冷気で満ちていた。
少し休憩をして息を整え、右側のルンゼ状から取り付く。右壁の岩に明確なリスがあったため、念のためハーケンを打ち込んでおく。よく見ると、他にも残置ハーケンがいくつかあった。
▼滝中段から流心の方を見る。前回はこの左上するバンドを進もうとしたのだが、ヌメリがひどく途中で断念したのであった。
▼今回はいろいろ「学習」して、このバンドには行かず、そのまま右壁を直上した。あちこちに大量に堆積した落ち葉を丁寧に除去してスタンスを確認して直上する(写真中央部のやや窪んだ辺り)。こちらもヌメリはあったがホールドは比較的あり、1箇所だけ細かいスタンスに乗る時だけは注意を要した。
1段目の滝最上部に2つの残置ハーケンが有ったので、そこでピッチを切った。
▼大滝の2段目を越えると、大きなナメが広がっていた。対岸(写真上部の白い岩辺り)を目指して斜めに横断する形で突破したが、河床のコケが酷く、滑りやすかった。
その後も滝らしい滝が続き、やはりズミ沢は大滝以降がハイライトであることを実感した。
▼この6m滝は、流心のすぐ左側の階段状に沿って登り、流れを横断して右側に抜けた。ここでもだいぶ濡れてしまった。
▼最終盤の3mスラブ状滝。まるでコンクリートを流したようだ。右側の溝辺りはヌメリが酷く、左側の、よく見ると見つかるいくつかの薄いエッジを頼りに越えた。
▼スラブ状滝を越えると、ややスケールの大きなナメ滝が視界に飛び込んできて思わず歓声を挙げた(短かったけれど)。
その先、少々の倒木帯を抜けると穏やかな流れになり、沢の右岸に登山道が近づいていないか注意しながら進んだ。
▼ここで遡行終了した(11:10頃)。
▼遡行終了点から左側を見上げると、ほんのわずかの距離に登山道が通っていた。笹子駅に向かう「難路」と「迂回路」の分岐を示す道標あり。
その後、道標が示す「迂回路」に沿って下山し、無事、笹子駅に13:00頃、帰着することができた。シーズン初めの練習に良さそうな沢だし、交通の便も比較的良いので、これからも行ってみたい良渓だった。
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