軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

SUSPENDED ANIMATION / ジョン・ペトルーシ

2006-03-30 07:53:57 | 音楽
John Petrucci: Guitars
Dave LaRue: Bass
Dave Dicenso: Drums

1.Jaws of Life
2.Glasgow Kiss
3.Tunnel Vision
4.Wishful Thinking
5.Damage Control
6.Curve
7.Lost Without You
8.Animate-Inanimate
2005 Sound Mind Music

プログレ・メタルというジャンルに君臨する帝王「ドリーム・シアター」のギターリスト、ジョン・ペトルーシのソロアルバム「サスペンディド・アニメーション」です。ドリームシアターのギターリストなのでプログレ・メタルかと思うでしょうが、勿論シアター風の曲も納められていますが、結構色々な曲が入っているような気もします。キーボードがいませんので最近流行のハードフュージョンのような作品とも言えますか。テクニック的には全くひけを取りませんし「G3」でも活躍していることを考えれば今もっとも注目されるギターリストのファースト・ソロと言うことになります。

1曲目。歪みが心地よいソリッドなギターコードが実に重々しい。ベースも地響きを立て、ドラムはタイトでムチのようにしなる。テーマのキメは多少泣きのフレーズで盛り上がる。アドリブパートはソリッドでシンプルなリズム隊をバックに弾きまくる弾きまくる。リズム隊も段々とテンションを上げ、ベース音は多少デジタルっぽく変化。もしかしてチョッパーかな。3者がユニゾンで昇り詰め最大の聞き所、ギターが切れまくる。そして、再びテーマのキメを泣きながら弾きこなす。多少ドリシア風のエッセンスがありますが、基本は以外とシンプル。
2曲目。明るい音色のアルペジオを奏でるギターが唸りを上げ、実に馴染みやすい(ある意味ポップ)テーマが始まります。リフは多少泣きの入った素敵なフレーズ、実に受け入れやすいカッコイイメロディーです。ドラムはタイト、ベースは結構忙しなくラインを弾きこなす、実にテクニカル。複数のギター・ラインが絡み合い織りなす世界は万華鏡の様。曲調が一転、ゆったりとした雄大な雰囲気の中、ギターが実に気持ちよさそうに流れています。印象的な部分の多い実にカッコイイ曲です。
3曲目。デジタルっぽいイントロ、ウニウニしたギターが中近東風フレーズを、バックでザクザクギターがリズムと融合、完全にドリーム・シアターの世界。ソリッドで力強いリズムをバックに天空駆けめぐるギターが心地よい。途中の展開もドリーム・シアター・・・・キーボードが入れば完全ですね。ドリシア・ファンはこれを求めているのでしょうね。色々なパターンのギター・プレイを堪能できました。
4曲目。何でしょうか、明るいというか暖かいゆったりとした雰囲気の中ギターが気持ちよく流れている。テーマはキャッチーでポップなメロディー、この人のギターからこの音色と雰囲気は以外ですね。まるでドラマのエンディングテーマのよう、ハッピーエンドか。何故か思い浮かべてしまうのはゲイリー・ムーアの「スパニッシュギター」・・・メジャーとマイナーの違いはありますが、雄大さ、大きさが似ているのかな。
5曲目。イントロからザクザクギター、リード・ギターは後ろの方でウニウニと、曲調もギターの音色も次々と変化させ、多少ゆったりとしたドリーム・シアター風の曲進行。スピードを増し、次々と表情を変えながら疾走するギター。ベースもリードを取りますが、少し違うだろう・・・ベースとギターのユニゾンは心地よい。なかなかの大曲、キーボード不在を少し意識しましたが。
6曲目。ロックンロール・ナンバーでしょうか。シンプルなテーマはエコーの利いたギターで。何か・・・実にシンプル。変化のない曲調の上をウニウニウニウニとギターが駆けめぐっています。曲がシンプルなだけにギターの魅力を十分に味わえますね。
7曲目。一曲は入っていますね、チークタイム。夜の静寂を流れるギター、雰囲気タップリタップリ。リズムが加わり、結構凶暴に盛り上がりますが、泣きの早弾きギターが最高に素晴らしい。年寄りにはこの手の曲はウルウルモノですが、若い世代はどのように聞いているのでしょうか。ボーカルが入るようにベースソロ、歌っていますねぇ。たまらない名曲・・・80年代を彷彿とさせます。
8曲目。パワフルでヘビーなナンバー、完全にドリーム・シアターですね。リフに聞き覚えがありますし、曲展開・・・やっぱりこの人がドリーム・シアターのコアだっだのか。長い曲の割にそれほど曲調の変化はなく、少し単調な部分も有りますが、間違いなくドリーム・シアターの世界ですね。

ドリーム・シアター風の複雑に変化するヘビーな曲と、シンプルでストレートな魅力に満ちあふれている曲が混在しています。意外な曲が多かったですね。もっと疾走感を前面に押し出したハードな曲が詰まっていると思いましたが、色々な魅力を味わえる好作品と言うことでしょうか。なかなかでした。




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