Wilhelm-Wilhelm Mk2

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ぶりぶりティル

2009-08-11 | Weblog
酒井法子の旦那が逮捕された場所は、聖地の前だったそうです・・・。まあ場所柄、全然不思議じゃあない。前々から噂は蔓延していたそうで、知らぬはテレビの前の善良な視聴者だけだったと。裁判員制度のPRビデオにも出ていたそうだけど、きちんと身辺調査しろよな・・・。

フルヴェンのティル:1953年のライブ録音。演奏はベルリンフィル。フルヴェンはリヒャルトの人格(ちょっと俗物)にどの程度敬意を払っていたのかはわからないが、初期の傑作群を高く評価しており、特にこのティルを気に入っていたらしい。SP時代の録音にはリハーサル風景も残されている。死んだ年の1954年にもいくつか録音を残しているが(映像もある)、前年の1953年のライブが一番フルトヴェングラーらしい演奏だと私は思う。私が持っている録音は協会盤だが(カップリングは同日のベト8、翌年のドンファンとインタビュー)、市販のものと違って変なマスタリングを施してないので実際にホールで響いた音を脳内で再現できる(ように思う)。私見だが、こういった古いモノラル録音のライブ録音はスピーカーでなくヘッドフォンで聞くことをお薦めする。この時代のライブ録音の情報は、1本のマイクを通してただ「吸い上げた」だけのものであり、複雑なオーディオ機器を通して聴くことを想定していない。当たり前だが、なにごともゴールまでの過程が多くなればなるほど当初の真実はやせ細っていく。ヘッドフォンを用いると、環境への拡散や反射で情報が希釈されたりねじ曲がってしまうことを防ぐことができる。部屋を暗くして、大音量でヘッドフォン越しにフルヴェンライブを流しすと、頭蓋骨がスピーカーとなり脳の芯から音楽が炸裂して、「ぶりぶりのりP」ではないが確実に飛べます(ただし、他の指揮者の演奏で同じことをやっても脳内麻薬が出ないので音量に耐えられないので不可)。話は脱線したが、この時期のベルリンフィルは、すでに戦後の闇時代をぬけて完全に復活しており、各ソロパートの自在な節回し早回しは圧巻である。演奏のドラマチックな構成は、さすがはフルヴェンというべきで、短い曲の中に納められた数多くの場面転換を徹底的に掘り下げている。全体としてテンポは快速であるが、粘るところは徹底的にいやらしく粘り、たたみ掛けるところは「一生勝てない」と思わせるぐらいにたたみ掛けてきます。驚喜と狂気が突風のように駆け抜けていくギリギリ感漂う演奏です。これを聞いてしまうと、名演と名高いカラヤンの録音でさえ、無機的で平べったくつまらない演奏と感じてしまいます。リヒャルトが好みの人ってあまりいないと思うのだけど、これは是非お薦めしたい録音です。

フルトヴェングラーを聞くと自分が何者かを思い出させてくれますね。つまらないものを「興味深い」とか惰性で言うことに慣れてしまっている偽善で欺瞞な自分を見直すことができます。