Wilhelm-Wilhelm Mk2

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ここ最近愚痴だらけなので本業を!フルヴェンの「フランク」!

2005-10-04 | Weblog
 近々フランクの交響曲を弾くことになるのですが、これまではデュトワ・モントリオールの非常にクリアの録音でスコアを読んだりして慣れてきたわけです。しかし最近は大分曲も把握したので、もとのフルトヴェングラーの録音に戻ったのですが、聞いた途端、

「がはー!、今までのはなんだった!遼来来!」


 という衝撃でしたよ。勿論、私が聴いたのは1945年に行われたウィーンフィルとの所謂「亡命直前ライブ」なのですが、大抵の場合は一番沢山聴いた録音に「毒される」ってのが定説にも関わらず、フルヴェンの演奏を一度でも聴いてしまうと、行き成り「生まれ変わった!」というくらいの「脱皮感」にさらされます。 とにかく凄い。どう表現していいのかわからないけど、これまでの人生を「全否定!」って感じです。理性的に分析すれば、上昇音形での圧倒的な高揚感に加えて、その後のカンタービレへの絶妙の融合間。各フレーズの恐ろしいまでの美しさと緻密さ・集中力、これぞフルトヴェングラー!これぞ音楽!これぞ舞台芸術!という感動ですよ。
 私は20年程度フルヴェンの筋金入りの信者で、こういったフルヴェン的感動には慣れっこな筈なのすが「否!」。フルトヴェングラーの演奏はいつ聴いても新鮮な興奮と同時に圧倒的な官能の坩堝に叩き落してくれます。いやあ、こんな感動できてなんて得な人生なんだろうと思ってしまうくらい感動しますよ。是非この録音を聴いてください。


 しかーし!同じフルヴェン・フランクでも「スタジオでは最高の録音」とか評されているロンドンレーベルのものは、フルトヴェングラー的にはかなり「劣化」なものなのであれがフルヴェンのフランクだ!なんて納得しないように。一般人は評論に騙されて大抵はこちらを買うことが多いんですけどね。基本的にフルヴェンはライブなんですよ。(だってフルヴェン本人がスタジオ録音を嫌っていたのですから)有名な1951年のグレートのスタジオ録音だって、戦時中の幾つかのライブに比べたら「しょぼい」って感じです。(市販に足るって感じでは合格か)。
 まあ真のフルヴェン愛好家ならライブとスタジオの差は「一耳瞭然」ってとこですがね。あーはは。