ハリウッド版のゴジラ作品って、これまでかなりの本数創られて来たけれど、最初に観たローランド・エメリッヒ監督(「インディペンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」を撮ったあの監督である)に登場したゴジラは、まるで爬虫類のようで、素早い動きでニューヨークの街を壊しまくるという内容だった。
映画自体はそれなりに面白く、マディソン・スクエア・ガーデンにゴジラの卵が産み落とされ、それを破壊すべくハラハラドキドキの展開になる点に対しては評価できる。ただし、そのスリムなゴジラの姿かたちには最後まで納得できなかった。
あまりにも俊敏過ぎるのだ。動きが速すぎるのだ。
ニューヨークの街を徹底的に破壊するシーンは怪獣映画の「肝」でもあり、それはまあいいとして、素早過ぎるゴジラはゴジラじゃない。
どうしてハリウッド映画に登場するゴジラって、いつも爬虫類っぽいんだろ?
ほんと、理解できない。
やっぱりゴジラは、ドスンドスンと大地を震わせながらゆっくりと歩き回り、堂々と、そして凶暴極まりない動きをしてこそのゴジラじゃないか。
その点、日本映画の「ゴジラ-1.0 」は全く違っていた。さすが本家である。あの鋭い眼光と雄叫びと重い躯体を引き摺るようにして街を破壊してゆくゴジラこそが、本来の正統派ゴジラなのだ。
そして今回新たに創られた新作が、2014年ハリウッド版「ゴジラ」シリーズや「キングコング:髑髏島の巨神」などとのシリーズ合体作5作目となる、映画「ゴジラ×コング 新たなる帝国」だ。
早速、映画館へと駆け付けました。
ゴジラとキングコングの二大怪獣が激突した「ゴジラvsコング」の続編となる映画である。
今回は、ゴジラとコングそれぞれが縄張りとする、いわゆる地上世界と地下空洞世界が繋ぎ合わさることで新たな敵が登場し、激しいバトルが繰り広げられるという内容になっていて、映画の冒頭から、出し惜しみすることなくゴジラとコングが現れ、破壊の限りを尽くしてゆく。
10分もすればすぐに何らかのアクション・シーンへと変わり、それが最後まで徹底して続くので、飽きるということがない。面白い怪獣映画ではあると思う。
ただ一点、ゴジラが全速力で敵に向かって突き進むというシーンだけはいただけなかった。
走っちゃ駄目だって! ゴジラなんだから!
ほんと、止めて欲しい。
ここだけは、日本のゴジラ映画をちゃんと踏襲していたたきたい、そう切に切に願う。