5月2日木曜日。天気、快晴。気温、20度。
朝、通勤時のメイン道路はいつもと比べて空いていた。スイスイ走ることが出来て渋滞もない。ゴールデン・ウイーク期間中、連続休暇を取っている人たちが多いからだろう。でも、こっちはいつも通りに仕事がある。ということで、いつものように7時半には机の上のパソコンと睨めっこ。
処理する案件が膨れ上がって来て、少し辛い・・・。
それにしても、なんという穏やかで気持ちのいい朝だろう。
まだ学生たちも来ない静かなキャンパスに出て、明るい太陽を拝む。
でもなあ・・・こんな平和な雰囲気を醸し出している日本の朝とは真逆の朝を迎えている国々だってたくさんあるわけで・・・。
昨日の夜の「報道ステーション」でも速報が流れていたけれど、イスラエルのネタニヤフ氏は、イスラム原理主義組織ハマスとの休戦交渉を巡って、戦闘終結を含む合意は受け入れないと述べたらしい。ということは、近々、パレスチナ自治区ガザ最南部の人口密集地ラファへの大規模な地上作戦は実施されるわけで、そうなると現地で暮らしている一般人ーそれも幼い子どもたちや女性たちーがまた無残にも殺されてゆくということになる。
テレビのニュース映像では、アメリカの名門「コロンビア大学」の学生らがパレスチナでの悲惨極まりないジェノサイドに対して抗議をするデモと学内占拠の様子が映されていた。
そこにイスラエル支持者たちが押しかけ、学生を排除しようとする武装警察をも巻き込んで大乱闘が行われている場面までもがリアルに流れている。
なんとも遣り切れない気持ちに襲われた。あのイスラエルのガザ侵攻に抗議をしている若者たちを見ていると辛くなってくる。翻って自分を思う。じゃあお前は何してんのと・・・。
眩しい朝日に揺れる静かな朝のキャンパスに、遅咲きの桜が咲いていた。綺麗だ。
結局は、安全な丘の上に立って下界を眺め、そこで繰り返されている弾圧や紛争や遣り切れない殺戮の様子をただ嘆いているだけの傍観者でしかない自分自身が情けない。
それでもこうして人生は続き、やがて年老いてみんな誰もが死んでゆく・・・。
世界はどこまでも非情で、そして、徹底して独りよがりな生き物だ。
こうしている間にも時間はどんどん過ぎて行き、弱い者たちは虐げられ、強い者たちだけが生き残る。狡猾で計算高く、戦略に長け、冷酷な頭脳と媚びる才能に秀でた者だけが、勝者としてこの世界に君臨し続けるのだ。
ならば、負けた人間、負け続けている人間、真っ当に生きながらも狡賢い人間たちにいきなり足元を掬われる人間に対しての、希望の持てる、そんな逆転戦略っていったいどこにあるんだろう?