v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

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宮古島での教育サミット

2006-03-08 02:10:12 | IT社会論とでもいうべきもの

富山でのIPv6サミットの翌日は、沖縄の宮古島で「次世代の学力サミット2006」と題された会議にご招待された。私がコーディネータをつとめている総務省IPv6移行実証実験での自然再生実験のチームの企画であるが、v6実験の成果お披露目会を兼ねて、教育がテーマのこのイベントが開かれたのだ。

写真のように少々サミットというのは規模も小さく、手作りイベントという感じだが、そこで4時間にわたり議論された内容はグローコムの中島洋先生の秀逸な仕切りのもと、実は富山のIPv6サミットにも勝るとも劣らない充実ぶりであったと思う。翌朝の朝刊で地方紙2誌取り扱われた他、宮古テレビで全編収録され、DVDに焼かれて宮古市の中高等学校などに配布される予定だという。

私の提言は近日中に会社ビズロクのページに資料を載せておく予定だが、かいつまんで言うと、P.ドラッカーの言う変革の時代という時代背景を前提とした教育戦略と実践が必要というもの。ゆとりだとか、詰め込みだとかそういう些細な議論はやめて、価値創造ができる人材を育てるために、まず価値観の共有と価値創造/フィードバックの経験を積むことが重要と考えた。これだけではわかりにくいと思うので、後日きちんと書いておきたい。(そのためにも「IT社会論」と題したカテゴリーを作った。。。)

この他、首都圏コンピュータ技術者協同組合最高顧問の横尾氏は21世紀になって経験が役に立たない時代の教育のあり方を、NTTComの中井氏は理論だけなく感性を育てる教育、オンリーワンというだけではなくワンネス(一体感)をめざす教育の必要性を訴え、私は個人的にはいたく共感した。この他、東京農大の中西先生の「科学」の教え方など、感心するものばかりであった。

なかでも一番感動したのが、地元の下地中学校校長の川上先生の発表である。先生は校長になられて以来、「たまうつ先生」という企画を考案され、実施されているという。「たまうつ」とは方言で「ッズゥダマウツ」が語源で、もともと漁でとった魚などの富をを公平に山分けするという意味の言葉。そこから、地域のお爺やお婆を一日「たまうつ先生」として招聘し、長年培った経験や知恵を子供たちに分け与えるという企画を実施している。すでに300人以上のたまうつ先生が、追い込み漁のやり方、バナナの植樹と栽培、サトウキビから黒糖を作る方法、スノコの作成、地元の民謡、などを子供たちに伝えた。失われつつある文化の伝承ということもさることながら、今後ますます国際化していく世の中、子供たちが自分の地域に対し誇りをもち、自分のアイデンティティを確立していくことができる、という教育は、今後の日本を作っていくうえで一つの重要な考え方であろう。(翌日にたまたま川上先生の出版された本を発見し、思わず買ってしまった)

議論ではITをツールとしてどう活用するかというような話題をとりあげた。横尾氏がe-learningの有用性を訴えたのに対し、私は富山のインターネット市民塾を紹介した。市民塾では生徒と先生の垣根をとりはらい、誰でも自分の得意な分野に関して簡単に教材を作り公開することができるような仕掛けが用意されている。人は教えることにより学ぶのだ。この仕組みを使い、子供たちが自分の得意な分野で人に「教える」ことにより学び、さらに教材の学習者からのフィードバックがかかることによりさらに学ぶような取り組みを私は提案してみた。すると、川上先生、この「ジュニアたまうつ先生」で富山に負けないような成果を出したいときた。これをさらにうけ、確か中島先生だったか、そういう知識の集積が宮古にできれば、それが観光に、特に教育的な修学旅行にもつながるというようなコメントも飛び出してきた。

このような議論のあとでは、もともとのIPv6実験の「自然再生」と、サミットのテーマの「教育」とどういう関係にあるの?なんて、くだらない疑問を当初抱いていた自分が少々情けなくもなった(笑)。

イベントを企画、準備し、裏で全部お膳立てをしてくれた、エコガイド教育コンソーシアムの猪澤さんに感謝したい。願わくば議論だけでなく、こういうアイデアは是非実現させてみたいものである。ビジネスになる・ならないを通り越して、こういう取り組みに対しても私(の会社)は貢献していきたいものだと思った。

 


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