
バッカーズ寺子屋はリーダーとしての教育を標榜している。
教育問題は常に総論賛成・各論反対といった議論を繰り返しているが、
私は教育に良いも悪いもないのだと思う。
ただ、「何を目指すのか」という違いがあるだけであり、
求めていた教育と手に入れたものとのギャップが、
いつも教育問題という名の不満として噴出しているだけなのではないだろうか。
バッカーズ寺子屋は、日本の私塾の伝統的教育観-志-を大切にしつつ、
欧米のボーディングスクールが持つ良さに近いものを持っているように感じる。
boarding とは、本来は「寄宿、下宿生活」のことであるが、
両親のもとを離れての団体生活の中で心身ともに鍛えられるため、
学業のみならず、生活面でも鍛えられ、
リーダーとして大切なプリンシプルを身に付けることができる。
また、同時に世界で活躍する同窓生人脈という
貴重な財産を得ることにもなっている。
バッカーズ寺子屋は、一年間とはいうものの、
わずか三十数日という短期間の学びであり、
幕末の私塾やボーディングスクールの成果には及ぶべくもないだろう。
しかし、短期間ではあっても、企業経営者の講話や企業訪問、
年3回の合宿など様々な体験を通じて得られるものは豊かで多岐にわたっている。
また、日本の学校教育で欠落している、
アウトプットを前提としたインプットを重視しする学びを行い、
それをプレゼンテーションという形にして思考力や意志決定力を高めている。
さらには古今東西の人間学や成功哲学に触れ、
「考え方」「心の持ち方」を磨くことも行っている。
「教学同時」という言葉があるが、
私はバッカーズ寺子屋の塾長として塾生諸君の指導に携わりながら、
塾生諸君からも、保護者の方からも、経営者の皆様方からも
多くのことを学ばせていただいている。
そのことに心から感謝したい。
そして、教育にとって何が大切なのかと言うことを
改めて考える機会をいただいたと感じている。
これから私は塾生諸君のために、
そして、日本の教育の未来のために、
もっともっと心を込めて、もっとより良い教育実践を創り上げていきたいと思っている。
どうか、このバッカーズ寺子屋という飽くなきチャレンジを
温かくそして末永く見守っていただければ幸いである。(志)