Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

君子もとより窮す

2022年12月30日 | Weblog

 

「子曰く 君子もとより窮(きゅう)す。小人は窮すれば、ここに濫(みだ)る。」《論語・衛霊公篇》

孔子とその門人が各地をめぐる間、孔子一行が戦乱に巻き込まれ、全く身動きがとれず、食物も尽きて七日間飲まず食わずの
窮地に陥ります。
弟子の子路がたまらず、「君子も窮することがあるのですか」と孔子に言葉をぶつけます。学問をして世の中のために尽くそうとしている孔子がなぜこのような目に遭わなければならないのか。立派な人間(君子)になろうと己を磨き続けても、この有様じゃないか。そう思うのもわかります。それに対して、孔子は先の言葉を述べます。「君子といえども窮することはあるのだ。しかし、君子は窮しても平静な自分を守る。小人は窮すれば心が乱れ、自暴自棄となってしまう。」こう諭します。立派な人間だから苦難に遭わないようになるわけではありません。立派であるが故に、足を引っ張られたり、誹謗中傷に遭うことも多いものです。人はなかなか思いがけない苦難を避けることは出来ない。だったら、立派な人間になることに意味はないのか。そうではありません。心取り乱し、感情的になる人には、その後、人はついては行かないでしょう。しかし、平静でいられれば、次のより良い一手も生まれるでしょうし、それを周りの人たちも見ています。乱れるのはやはり、小さな自我に囚われているからではないかと思います。感情的になるのは弱さでしかない。窮地に立たされても、心乱さない自分であろうと思います。
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