「私の考えでは、人間の一生の基礎は、大体15歳までに決まるものだと思うのです。したがってその年頃になるまでの教育は、相手の全人格を左右して、その一生を支配する力を持つわけです。ところがそれ以後の教育は、結局相手の一部分にしか影響しないと言ってよいでしょう。人間も15、6歳をすぎますと、急に批判的になるものです。ところが、そのように批判の芽が出だしてからは、もう教育の影響力は部分的になって、全面的には及びにくいのです。」(『修身教授録一日一言』森信三著より)
バッカーズ寺子屋の対象年齢を10歳から15歳にと考えたのは、私の直感でしかありませんでした。ただ、「つの付く年までに躾は終えよ」「我、十有五にして学に志す」という言葉は知っていましたから、そのあたりで決断したのでした。
後になって、森信三先生のこの言葉に触れ、やはりそうだったのかと思ったものでした。とすれば、小中学校の先生方も、その年齢のお子さんを持つ親御さんたちも、二度と戻らぬ、そして、取り返しのつかぬ、大切な時期の教育を担っていることを強烈に自覚しなければならないのだと思います。
私も今まで以上に自分を磨き続けていこうと思います。子どもの前に立って恥ずかしくない人間になること。誰の前に立っても恥ずかしくない人間になること。二度と戻らない時を共に過ごすことを自覚して子どもたちの前に立ちたいと思います。