Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

予約の出来ないお店のようなもの

2020年10月16日 | Weblog
昨日はオフィスでささやかな夕食会を開きました。お客様は一人。
私の父も自宅で大勢のお客様をもてなすのが好きでした。母は本当に準備が大変そうでした。

私は、おもてなし好きと、準備好きが両立していますから、自由気ままにやります(笑)。
自宅ではなく、オフィスでやるから、もうやりたい放題!(笑)。

「おもてなし」ということを考えた時に、「美味しいお店」にお連れするという選択もあります。しかし、自分で料理を考えて準備するとなると、色々な事を考えなければなりませんし、色々なことができなければなりません。

食材の選び方は的確か。鮮度がわかるか。旬の物を知っているか。刺身は何が良いか。焼き魚は何が良いか。魚の焼き方は身についているか。フライの揚げ方は大丈夫か。わさびは何を使うのか。本わさびだとして、何を使っておろすのか。野菜の煮物でだしは何を使うのか。火の通し加減はどの程度か。ご飯は土鍋で炊くのか。炊飯器で炊いてお櫃を使うのか。お新香は何にするか。糠漬けは買うのか、自分で漬けるのか。お酒は何を飲むのか。

そうして無数のシミュレーションをし、選択し、形にしていくためには、無数の経験が必要です。そして、その経験は、やりっぱなしにしていては身につきません。次に活かされるように心に刻んでおかなければなりません。それには好奇心や探究心が必要です。何より手間暇が大切です。

また、金額的なことも含めて、心を尽くすということはどういうことかが問われます。相手を本当に大切に思っているか。妥協せずに向き合おうとしているか。自分の人と向き合う姿勢や、人生そのものが問われているのです。

人をお招きするのは怖いことでもあります。自分という人間が誤魔化しようもなくあらわれるからです。しかし、これほどの人間修業の機会はめったにありません。

父がお客様が来る前に、階段掃除を私に命じていました。少しでも手を抜いた形跡が見て取れると、やり直しをさせられていました。あれは素晴らしい教育だったのだと今になってよくわかります。心の隙をなくす教育だったのです。そして、細かなことに気づく力を養う教育だったのです。改めて、父に感謝です。

また、私の時間が出来たら遊びに来ていただきたいと思います。ただし、予約の出来ないお店のようなもので、いつになるかは全くわかりません。ごめんなさい(笑)。

でも、お食事処V&E、および、BarV&Eに興味のある方は、ご一報下さい。(笑)


コメント
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