足立美術館に行ってきました。
私はやはり、
北大路魯山人の生き方に惹かれます。
芸術と教育は近い世界だと思うのです。
芸術家がとことん己を磨いて、
初めて芸術的に高い境地に立てるように、
教育者もまた、とことん己を磨いて、
初めて教育の何たるかがわかるように思います。
しかし、あまりにも、
知識の教育や技術の教育が横行していて、
深い人間学と教育哲学とを持った人物には
現実の社会では、なかなか出会えないものだと思います。
残念ながら、
私も浅薄な教育哲学しか
持ち合わせていないのですが…。
北大路魯山人の次の言葉は胸を打ちます。
人間が創作する以上、
人間が入用である。
人間なくしては
出来ない相談である。
陶器を作る前に
まず人間を作ることである。
名品は名人から生まれる。
しかるべき人間を作らずに
むやみに仕事にかかるごときは、
愚劣きわまることだと知ってよい。
下らない人間は
下らない仕事をする。
立派な人間は立派な仕事をする。
これは確定的である。
私は、こうした言葉を、
教育家が紡ぎ出せなくなり、
また、こうした言葉に、
学ぼうとすらしなくなったことに、
深い哀しみを抱いている一人です。