Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

郷愁

2007年11月15日 | Weblog

なぜだろうか。
心の奥底に眠っていた
ヨーロッパやオーストラリア、
そしてアジアの国を旅した記憶が、
ふと甦ってきた。
特に、タイ・カンボジアの記憶が、
その時の空気と共に感じられた。

人生は旅である。
様々な人と出会い、
色々な時間を共有し、
語り合い、笑い、思い、時が過ぎていく。

精一杯に生きなくてはと思う。
次の世代に何かを残していかなければと思う。

ゆずりはという詩がある。
子どもたちと、また、多くの人たちと
共有したい詩である。


     ゆずりは
            河井 酔茗
こどもたちよ、
これはゆずりはの木です。
このゆずりはは
新しい葉ができると
入れ代わって古い葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉ができると無造作に落ちる、
新しい葉にいのちを譲って――。

こどもたちよ、
おまえたちは何をほしがらないでも
すべてのものがおまえたちに譲られるのです。
太陽のまわるかぎり
譲られるものは絶えません。

輝ける大都会も
そっくりおまえたちが譲り受けるものです。
読みきれないほどの書物も、
みんなおまえたちの手に受け取るのです。
     
幸福なるこどもたちよ、
おまえたちの手はまだ小さいけれど――。

世のおとうさんおかあさんたちは
何一つ持っていかない。
みんなおまえたちに譲っていくために、
いのちあるものよいもの美しいものを
一生懸命に造っています。

今おまえたちは気がつかないけれど
ひとりでにいのちは伸びる。
鳥のように歌い花のように笑っている間に
気がついてきます。

そしたらこどもたちよ、
もう一度ゆずりはの木の下に立って
ゆずりはを見る時がくるでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする