おかんのネタ帳

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「スカーレット」についての考察 その2

2020-04-25 17:31:07 | ドラマ「スカーレット」
昨日は、ドラマの感想というより、戸田恵梨香さんのインタビューの感想で終わっちゃっいましたね。
でも、演じる上で、いろいろ葛藤があったんやなぁと思いました。

脚本の水橋さんは、この作品に2年前から取り組んでたそうです。

喜美子と八郎はすれ違っていき、やがて離婚するのですが、参考にされたという神山清子さんの人生は、当時は珍しい「女性陶芸家」として有名になっていく奥さんに嫉妬し、弟子と浮気して出ていくという、めっちゃわかりやすい?夫婦の破綻がありました。
それが、この、きゅんきゅんさせられた夫婦にも訪れるのかと、ハラハラしましたね。
三津という若い女子の弟子も入ってきて、沼民(八郎さんファン!)がザワつきました。

水橋さんと内田Pは、最初から、浮気で離婚する、というのはまったく考えてなかったようです。
同業夫婦がうまくいかなくなる、妻の才能が秀でていることから、夫婦がすれ違っていく様を描きたかったようです。

そこに何があるのかを、水橋さんがインタビューで答えています。
→ こちら

前にも書いたけど、私が一番モヤモヤしたのが、この、二人に離婚に至るところですね。
喜美子一人で穴窯を成功させることが大前提ですが、(喜美子の物語ですからね~)一番、切なくて、ちょっと腹が立ったのが、八郎のあのセリフです。

「2週間も焚き続けるなんて窯が持たへん。前に言うたな。同じ陶芸家やのになんで気持ちわかれへんのって。僕にとって喜美子は女や。陶芸家やない。ずっと男と女やった。これまでも、これからも。危険なことはやらんといて欲しい」

めっちゃ違和感でした。
びっくりしました。ここで、これ言う~? 
こう言えば、喜美子が自分の方を向くって、思ったん??

大阪行って吹っ切れて(信楽太郎の「さいなら」も聴いたし)草間さんにヒントと力をもらって、
(草間さんの登場を、沼民は素直に喜べませんでしたよね?)意気揚々と穴窯に向かおうとしてる喜美子と、もう次元が違うというか、ステージが違うというか。

本当に喜美子の体が心配なら、不本意でも穴窯を焚くのを手伝えばいいことです。
「納得でけへんけど受け入れます」って、そうしてきた二人やん。
それを、喜美子の、八郎への愛に賭けてるって、女々しくないですか?

武志を連れて出ていく、
これも、それまでの八郎とは思えないような行動でした。
そもそも穴窯を喜美子にすすめたのは八郎です。
喜美子の天性の才能を理解して、陶芸をやらせてあげようという、あの時代にはいない優しい夫でした。
でも、新聞の扱いや研究所の所長、美術商の言葉に同調し、「僕が甘かった。まず賞を取って名前を挙げてからにしよう」なんて、ありきたりなことを口にするんですね。

「有名になるってどういうこと? 売れる作品が作りたいんと違う。ウチはウチが思うような作品を作りたいだけや」

もう、二人の見ているところが違うんですよね。

別居してからも、話し合うこともせず、ただ、喜美子が自分の方を向くことを待ってるって。
八郎側のことが少しも描かれてないだけに、沼民もさらにザワザワしてましたよね。

水橋さんによれば、八郎とて昭和の男。
自分より才能が秀でた妻に対する悔しさがあったはずやし、優しさの根底には「嫉妬」があって、自分を頼って欲しかったし、自分の方を向いて欲しかったんやと。

水橋さん曰く、「僕にとって喜美子は女や」というのは、八郎から喜美子への、「最後のプロポーズ」なんやそうです。
喜美子の「好き」という気持ちに賭けたんですね。

陶芸指導の先生によると、穴窯の炎はじっと長く見入ってはいけないらしい。
炎を見ていると気持ちを持っていかれるんやそうです。



「月刊ドラマ」のインタビューで水橋さんは語ってます。

「喜美子は、炎に気持ちを持っていかれたのですね。私たちは、観てくださる方がどの程度理解してくれるかは分からないけれど物づくりの業や、どうしようもない執念、とり憑かれていく、ガッと行くところまで行くのはやりたいね、と話していたので、強い気持ちをもって描きました」

「陶芸家になります」

八郎の”プロポーズ”に、喜美子はこう答えます。
そして挑んだ7回目の穴窯で、ついに成功するんですね。

3回目に挑むときやったか、チビ武志に、「成功したら、お父ちゃんを迎えに行く」というようなことを喜美子は言うてたと思うんですが、7回目の穴窯が成功して、喜美子の作品をじっと見つめる八郎に、喜美子は声をかけませんでした。

なんで??
成功はしたけど、まだ売れるかどうか未知やったのに。
喜美子の意地ですか? 女の意地ですか?

そして、八郎は、喜美子の作品を見つめながら、涙ぐんでました・・・なんで、なんで泣くの~???

脚本では、だまってただ見つめる八郎、とあったようですが、洸平くんによれば、八郎は男だし、プライドもある。
喜美子に負けてしまったこと、信じてあげられなかったこと、ここにはいられないという気持ち、何より、幼い息子武志への申し訳なさがこみあげてきて、武志のことを思って、涙を流したのだと、言うてました。
公式HPのブログでも、そう語ってます。

息子のことを思っての涙・・・
もう、ほんまに、お父ちゃんになってはったんですね。

『ステラ』(2/1号)のインタビューで洸平くんは、こう語ってます。

17週で息子の貯金を取り崩して穴窯に挑戦しようとする喜美子に対し、怒りがわき上がる八郎ですが、同時に、「喜美子にとって自分はもう必要ない存在になったんだな」と悟ったんじゃないかな。
・・・喜美子の気持ちもわかるし、どちらも間違っていないからこそ、分かり合えない二人が悲しくて、幼くて、本当に心が痛みました。・・・なんとかならないの、ちゃんと話し合って!と願ってしまったほど。こんな当たり前のことさえ、見えなくなってしまってるのかと、水橋さん、なんて切ないストーリーを書いてくれたんだ・・



スカーレットのガイド本part2(2/1発行)に、「陶芸家夫婦の日々を語る」という、
戸田さんと洸平くんの対談が載ってるんやけど、そこにも、三津の登場から穴窯へ向かっていく喜美子と八郎のことを少し語ってます。
お互いにわかって欲しいと思っている気持ち、わかるけど、だからこそ難しいねと。

ちなみに戸田さんは、「あさイチ」で、「家族と穴窯、私ならどちらも手に入れたい」と言うてましたね。
二兎も三兎も追う! みたいに(笑)



『ステラ』(3/21号)で戸田さんは、こう語ってます。

喜美子は大切なものを犠牲にしてまで陶芸に情熱を注ぐような、突出した才能を持った人。正直私にはなかなか理解できない部分もありました。喜美子の強さやたくましさを、エゴではないかと考えてしまったことがあって・・。

戸田さんも洸平くんも、いろいろと悩みながら役作りをしたみたいですね。

で、私のモヤモヤ・・・なんで二人は別れたの? ですが(苦笑)

一言で言えば、若かった、ってことなんでしょうかね。
あれほど、「話しよか」と言って、夫婦の時間を大事にし、話し合ってきた二人やったけど、喜美子が自分の作りたいものを作り始め、八郎が作品作りに悩み始めたころから、「話し合い」が少なくなっていきました。

最初の穴窯挑戦の時、窯の温度が予定通りに上がらなくて、喜美子は八郎を頼ろうとするんですが、そこで、八郎に寄り添って居眠りしてる三津を見てしまいます。

戸田さん的には、めっちゃ嫉妬したらしいですが(笑)喜美子は何も言わず、ガッとまた穴窯に向かいます。

2回目の挑戦を止めようとする八郎に、喜美子は、二人が寄り添って寝てるところを見た、って言うんやけど、そこで言うの? って、思ってしまいましたね。
喜美子は八郎を頼った自分の弱さが失敗につながった、だから次は失敗しない、と言うんです。

八郎は、やましい気持ちはないはずやけど、ちょっと狼狽してましたよね。
喜美子の2回目の挑戦をそれ以上止められなかったし。

喜美子もまた、八郎を信じてはいるけど、寄り添う二人の姿は衝撃やったと思う。
いくら恋愛に疎い喜美子でも、三津の気持ちに気づいていたようやし、だから余計に、穴窯を成功させやなって、思ったんでしょうね。

水橋さんの脚本は、ほんとに、私の予想の上を行ってました。

なんかほんまに、17週、18週は、観ている方も苦しかったです。
喜美子が穴窯を成功させた時、「スカーレット」ファンならうれしいはずやけど、なんでか、素直に喜べなかったですねぇ。

水橋さんと内田Pの、思うつぼ、やったんでしょうかね(苦笑)
幸せの形はいろいろで、ヒロインがすべてを手に入れる予定調和なんて、人生にはないんだってことですよね~?

そういや前作の「なつぞら」は、共働き夫婦が、子育ての協力者を得て、働く母の存在を会社にも認めさせて・・すべてうまくいく感じに描かれてたので、確かに違和感はありましたよね。

二人の別れは、納得でけへんけど、受け入れます(苦笑)

さて、このブログの3月13日、「スカーレット妄想祭り」(笑)に書いた、妄想の答え合わせを少し(笑)

妄想1
八郎が京都から愛媛に行ってるのは、砥部焼をしに行ったの?

ノベライズの下巻の「あとがきにかえて~」水橋さんが、「スカーレット」こぼれ話いろいろ、を書いてくださってますが、そこに、衝撃的なこと?が書いてありました!

なぜ愛媛か、
台本の打ち合わせて、水橋さんはこう言ったそうです。
八郎はいったん陶芸を離れたと思う。
京都で頑張ったけどうまく陶芸に向き合えなくなって、陶芸から離れたくなった。「イチから出直す」というのは、陶芸と全く関係ない仕事に就くこと。
どこにしようか、八郎の兄が移り住んだという愛媛に行ったことにしようか。
愛媛ではミカン畑で働くとか。
それでも陶芸が忘れられなくて、離れられなくて、再び陶芸に関係のある名古屋の会社へ転職するのだと。

え~っ、八郎がミカン畑ですか??

水橋さんはその話を、八郎役の洸平くんにしたそうですが、冗談だと思われたそうです(笑)
洸平くんは、八郎は愛媛でも陶芸に関わる仕事をしていた、一時たりとも、陶芸から離れていないと思ってたようです。

・・・私も、そう思ってたんですけど(笑)
(砥部焼、関係なかったの~? 調べたのに~笑)

水橋さん、「私だけの八郎ではないんだな」と、どの役も、みんなで作ってるんだなと思ったそうです。

妄想5、
ゴロウちゃんのいる県立病院はどこ?

武志が入院しているとき、窓から琵琶湖を眺めていました。
対岸に、山並みが見えましたよね。
南湖の湖岸という設定でしょうか。
つまり、信楽からなら電車で1時間ほどかな。

なので、名古屋からくる八郎さんは、信楽に行くより近いと思います。

喜美子が照子と一緒に敏治さんの検査結果を聞きに県立病院へ行くシーンがありますが、ノベライズに、二人で電車に乗ってるというくだりがありました。

ドラマの中で、「帰りに寄りました」というゴロウちゃんに、「帰りに寄るようなとこちゃいますよ」って、喜美子が言うてましたが、多分、先生は車で行ったんでしょうね。
大津あたり?からなら40~50分ほど、車の方が便利ですよ。


今日は良いお天気でしたね。
もったいないくらい。

でも、スティホーム!!
まだまだ、考察は続きます(苦笑)

その3は、→ こちら



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