日々是雑感

アニメや映画の感想を中心に雑多に述べていきます

2005ロボットアニメの傾向と対策 序論:私見ロボットアニメ史 

2005-05-03 01:06:14 | アニメ
はじめに
 とりあえず2005年の春の新番組も評価がだいたい固まってきた。そこで今年の傾向なんかについて一席ぶってみたいなどと考えた次第。続けるかどうかは不明。
 
 読むにあたっての注意点(言い訳)

・本論は作品の是非を問うものではなく、あくまで傾向を語ったものです。個人的な感想については以前の新番組感想を参照してください。また、過去の作品についても論評する意図は一切ありません。 

・本稿はあくまで筆者が感じたもので、明確な資料に基づいたものではありません。

・内容についてのお問い合わせは本稿のコメント欄でお願いします。 

 以下、本論

 鉄人28号を始祖とするロボットアニメは90年代にいたるまでリアリティーを突き詰める方向に進んできたと言って間違いないと思う。少年探偵が光子力研究所になり地球連邦軍にいたったわけだ。
 リアリティーの追求はやがて暴走を招き、リアルロボットアニメブームと呼ばれた80年代に終わりを告げることとなる。

 その後に起こったSDロボットや「勇者シリーズ」、「エルドランシリーズ」は反動主義的作品と言っても良いかもしれない。
 リアリティーの追求から即物的な楽しさへの回帰。いや、戻りすぎかもしれない。
 おざなりな説明だけで家の自動車がロボットになり、小学校は司令室となった。そのリアリティーたるやマジンガーZ以下だろう。
 
 その反動主義の流れにリアルロボットの旗手であったはずの「ガンダム」さえ飲み込まれていった。
 ロボット同士が格闘するGガンダム、美少年戦士がなみいる敵をばたばたなぎ倒すガンダムW、破滅的な必殺技を持つガンダムX。これらは従来のリアルロボットでは考えられなかったことだ。
 
 そうした反動主義でいったんリセットされたリアリティーの追及だが、再びその時点から始まることとなる。それは「エクスカイザー」と「ガオガイガー」、「ライジンオー」と「ゴウザウラー」を比較するとよくわかる。玩具主導の決められた枠の中での追求だったこともあって、それはかなり緩やかなものではあったが。その中でリアリティーを追求できないSDロボ系は淘汰されていく。
 そして、これらの流れに止めを刺したのが「エヴァンゲリオン」というわけだ。

 私は「エヴァンゲリオン」が歴史の節目であることは否定しない。だが、それは「新世紀を開く」ものではなく「古い時代を終わらせる」ものとして。この作品が最後の輝きとなって、ロボットアニメは冬の時代を迎えることとなる。

 この時代のロボットアニメの主流を語るなら「ネタとしての復古主義」と言う言葉が一番適切だろう。玩具を売る必要は無いのだから、子供を相手にする必要は無い。過去の作品をパロディする事で、または過去の作品の復刻、続編を作ることでマニア層相手の商売を続けていた。それはつい最近まで続く。

 そして現在、「絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク」、「蒼穹のファフナー」(筆者未見)といったオリジナルロボットアニメが増加し、力を失ったと思われていた玩具販促系も「Get Ride! アムドライバー」でコナミが新規参入する。

 それが2004年までの現状である。
(長くなったので次回に続く)

付記:時代の折々に「鉄人28号」が現れているのは指摘しておくべきだろう。
リアリティー追求の途上で生まれた「太陽の使者」、反動主義の中で生まれた「FX」 、復古主義の終わりに生まれた「今川版」どれもその時代の特徴を色濃くにじませている。