DREAM.2 観戦記 後編

暗転後、切な過ぎるＶＴＲが流れる。

浅間山荘事件の映像に、そこまで古い話かよ…。
しかし、前田日明の言葉が刺さる。元道場跡地を
訪ねる船木の顔も感慨深い。これは、煽りではなく、
ドキュメントだ。２０年という重み、「ＵＷＦ　完結！」
とのセリフに、リミットを越えても、映像に食い入る
MJくん、「こんなん、見せられたら帰れませんわ！」
「後悔しない様に、見届けてから、帰ればイイさ。」
そう伝えながらも、感極まり涙が落ちそうになる。

この試合の感想は、先にＵＰしてしまいました。
「悲傷」を読んで下さい。

そして、この試合後、あの言葉の意味がやっと理解
できる。「夢の馬鹿野郎！！」この言葉に込められた
製作者の意図は、違う所にあったのかもしれないが、
もし、僕らオールドファンの目線で考えて、敢えて
頭のセリフとして挿入したのなら、何と想像力と配慮の
深い人だろう。とても優れた人だ。長年、見守って来た
筈の僕らは愚かな事に、微かに、それでも、まだ期待し
幻想を抱いていた。
だから、悔しかった、本当に悔しかった。
答えを知っていたのに、気付かないフリをしてきた。
強さとか、上手さとか、見た目とか、そんなモノではない。
僕らが見ていたのは、初めから”生き様”だったんだ。
僕らが崇めた”最強”とは、不変の意思表示、即ち、
如何なる時も、傷つく事を恐れず立ち向かう勇気。
人は足されるのでは無く、仏像の様に削られる事で
自分の形成を完成させる。格闘技とは手段であり、
人前で分かり易く、削り合う事なんだ。
そして、”ＵＷＦ”は、その事を初めから、僕らに
教授してくれていたんだ。そして、その意志は、
船木が創ったパンクラスでは”イズム”として、
田村が創ったＵ－ＦＩＬＥでは”スタイル”として、
名称を変えて、後世にも着実に受け継がれている。

人の前には道など無い、その人の後に道ができる。

これが分かっただけで、充分だ。人生の全てをかけて
理想を魅せてくれた田村潔司、まだ早いが、ありがとう。
”U.W.F”は、時代と人々の心に、こんなに刻まれていた。
僕は、間も無く訪れる頑なで、シャイなあの人の最後を
以て、”Ｕ魂”の閉鎖を心に決めた。
これからも、歩いて行こう。赤パンと共に。

実は、この後の試合は、全く記憶に無いんです。
心ココに在らずで、若干、桜庭のスカした入場で、
笑顔を取り戻せたけど、試合の内容が思い出せ
ないんです。スミマセン。観戦記ちゃうやん！