U魂(ウコン)

◆『U.W.F』最強伝説を追い求める
36歳 おやじブログ

駄作

2008-05-29 | Weblog

修斗でルミナ、マッハ、リオンが負けて、戦極で川村と
近藤のパンクラスismが負けて、DEEPで足関十段を
背水の陣の三島が下し、UFCではシウバが”らしい”
試合で復活の狼煙をあげ、同じく地味なRYOTOが
あのティトに完勝し、期待の吉田善行がアナコンダ
チョークで強烈なデビューを飾って…柔くんは案の定、
ソクジュに撃破されたり。
極めつけが田村潔司の夢の続きの打ち切り。色んな
意味で目まぐるしい格闘技な日々に、コラムも書いて
いたんですけど、全て駄作に思えて計6本分が草稿
のまま…すみません。

実は、以前からシナリオというか、脚本というか…
ある会社から”書き物”を依頼されて、数ヶ月に亘り
執筆して先日、提出しましたが結果的に「ダメ出し」を
喰らいました。完全NGではないですが期待に沿える
”僕らしさ”がなく保守的であるとの批判を聞いてから、
何となくやる気が上がりません。構成自体のOKは
頂いたのですが、人物像と相関をもっと掘り下げ、
エンディングも実話通りに変更した方が良いとか
指摘を多々。執筆した内容は殆どが実話であり、
登場人物の性別や職業を差し替えた為に、リアリティー
に欠け面白みが半減していると。でも、迷惑がかかる方
もいるので、書けないものは、書けない…とコチラの
苦悩も知らず。そんなこんなで”駄作”となり封印。
書き直しを指示されて目下、改めて奮闘中であります。

Aanchorage -錨地からの空-

私は二度と「自分」に戻れない。
今日以降、自身を偽りながら別の自分となり、
生きて行くしか道はない。こんな筈ではなかった。
私は海に沈んだ“”の様に海底で重い身体を横たえ
海面から僅かに差し込む弱い光をただ眺めている。
上京して5年目の夏、もう、私には自分を削って生きて
行く道しか残されていなかった。だから、覚悟を決めた。
今日から私は私を売る。そして、必ず這い上がるんだ。
この薄暗い海底から。

無垢なあの頃に学校や家庭で教えてくれた
「正しき道」とは一体、どの道だったんだろう。
「人に優しく」とは、誰に対しての事だったんだろう。
「強く生きる」とは、どんな生き方だったんだろう。
矛盾を見抜けず間抜けに失敗を繰り返し、
自嘲する
日々に疲れた頃、私は気付いた。振り返ればこの
短き人生で”幸せ”に触れた記憶が無い事に。
私に在るのは卑しい見栄に費やした複数のカード
ローンだけ。無知ゆえに流されるまま、持ち合わせて
いた自信、信用、愛情、お金、全てを失い此処まで
来てしまった。でも、生きるしかない。
情けないが生きていくしかない。

金曜の終業時刻にデスクまで誘いに来てくれた、
同期たちの飲み会を断り、上層階のトイレに篭り
身支度をして仕事の後の「シゴト」に向かう。
この週末の楽しげな空気が漂う街に触れると自分が
惨めに思えてくるので、咄嗟にタクシーへ逃げ込む。
華やぐ景色と行き交う人々の笑顔を車窓から見て
いると、遠い異国だと思いたい。いつも自分が暮らす
場所なのに、全く別世界に見えてくる。みんなが居る
そっち側と私の居るこっち側はあまりに違う。
涙が込み上げてくるのを堪えていると、無情にも
タクシーがホテルのエントランスへと到着し現実へと
引き戻してくれた。ドアマンが近寄ってきて
「ご宿泊のお客様ですか」
「いえ、待ち合わせです」

事前に教わったロビー奥の宴会場に隣接する人気
のない化粧室で身形を確認する。鏡に映る別人の
自分に溜め息しか出ない。それでも、深呼吸で今にも
飛び出そうな自我を収めてロビーに向かう。
既にゼンマが待機していた。「行こうか?」との問い
かけに頷いて、ゼンマの背中に隠れてエレベーター
へ乗り込む、デジタル表示
はカウントアップしていくのに、
私が私を握り潰す時間のカウントダウンに見える。
心中を察したゼンマが無言で肩を叩いて告げる
「割り切れ」この日まで何度も自分に言い聞かせた
当然の一言を言われて、落ち着きを取り戻せた。
そうだった、自分に”さようなら”と”ありがとう”を
言わないと、これからを始められない。


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