U魂(ウコン)

◆『U.W.F』最強伝説を追い求める
36歳 おやじブログ

最後の電話

2007-11-05 | Weblog

とある占い師と話す機会があり、質問をされた。

貴方は今から死を迎えます。

Q1)その前に1人だけ、電話をかける事が許されます。
   誰に電話しますか?

Q2)その繋がった相手に”自分の死”を告げますか?

僕は即答で、誰にも電話しない。だから、事前に
誰かに死を告げる事はない。と伝えました。
すると占い師がその理由を聞くので、

「電話をかける程、近しい相手が、その電話が僕の
最後の会話と知ったら、その後、脳裏から離れなく
なるだろう。そんな思いを強いるなどできない。
誰かに”終”を告げなくとも、親しい人なら、いずれ知る。」
そう答えると占い師は、不思議そうに僕を見ながら
説明してくれました。僕の回答パターンは年配者の答え。
”しない”と即答している時点で、この世に未練がない。
自分の寿命をある程度悟り、今を余生として生き
既に”死”を受け入れた人の回答だと。

ぅん?そうなのか?

死ぬ前に電話できても、今から死にます!って
態々、誰かに伝えたいだろうか?掛けたは良いが
話し出すと絶対に切り辛くなるだろう。最後、何と
言って切ればいいんだ。人は皆、死にたくないと
考えて今を生き、それでも死を迎える定めにある。
だから、当然、今、この時も死に向かっている。
その事実を意識するか否かは、人生経験によって
気付くタイミングが人其々に違う。”死”を悟るのに
年齢は全く関係ないと思う。この占い師は詐欺だ!と
感じ、同席の友人に失笑をかってもお構い無しに
懇々と説き伏せると占い師は、何も反論して来なかった。
案外、大人の人だった。悪い事をしたなと反省した。

ついでに
人は来たるべく”最後”を思い出さない様に精一杯、
強がって見栄を張りながら、少しでも現世に自分の
証を残そうと命を燃やして生きていく。
昨今、”贅沢な時間”とか”癒し”とか”生”を直に
感じられる贅沢なモノが持て囃されているのも、
世情が殺伐とし不安定であり、普段の生活で負う
刺激やストレスが過多となり、多くの人が安らぎを
求める傾向にあるからだと思う。
逆に最近、自殺サイトなるもので一緒に自殺をする
メンバーを募る人も増えている。”自殺”そのものを
個人的には否定しない。早く死にたいなら、死んでも
構わないと思う。だけど、殆どの人達が発見され易い
場所で、木炭を利用し一酸化炭素中毒で、眠る様に
”楽に死ねる方法”で自殺を図っている。

死に急ぐのは勝手だが、その場所で自殺を図る事により、
後で多くの人に迷惑が掛かる事がなぜ?想像できないのか?
最後まで”自愛”と”苦痛からの回避”を優先する最近の
自殺者を見ていると虚しくなる。僕がもし、追い込まれて
自殺を選択するなら、フェリーに乗船し外洋へ出て
身投げする。勿論、この方法では、多くの自殺者が
目的としている”可哀相な自分”は一切、誰にも
アピールできない。自己都合で”死”を選択し、最後の
最後まで他人に迷惑をかけるとは、”死”を迎えるに
相応しくない。どんな理由にせよ、誰かを誘わねば
死ねない程、弱き人よ、貴方だけが特別な苦難に
遭遇している訳ではない。皆、生きながら其々に
苦しんでいる。そして、行く先に望む楽園など無い。

”あの世”や”神”も死を恐れない様に、人により作り
出された”虚像”でしかないと僕は思っている。本当に
”神”や”天国”が存在しているなら、その姿や教えは
世界共通な筈であり、多くの戦火の要因となっている
民族・宗教間紛争など起きないだろう。事実、信者の多い
世界的宗教の根幹は、どれも大差ない。穏やかな
気持ちを持って、死に向き合え。という説を唱えているに
過ぎない。皆、口にしないだけで同じだと、何百年前から
とっくに気付いている。本来、生きている人が死後の世界を
証明したり語ったりする事なんて出来ない。この世界に
神が宿っているのかは、死んでからしか分からない。
でも、この世に存在する人間の種類は4つだけ

死んでも死に切れていない人
死んでも生き続けている人
生きながら死んでる人
そして、いきいきと生きている人

この分類しか無い事を、先立った友と父を見送り
僕は学んだ。


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