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萌えるゴミ

美徳のよろめき

2006年07月05日 | etc

美徳のよろめき
という本を読んだ。

節子という良家の女性が退屈な(?)結婚をして不倫をして・・・。
という話だった。
作者は三島由紀夫。
三島作品を「読んだ」のは初めて。
少し前に映画になった春の雪を見たときはなんちゅう退廃的で後ろ向きな話だろう!
この倦怠感と背徳的な情熱が耽美ってものかしら????なんて思ったけれど。

この小説は少しだけ共感する部分もあったし、何より男性が書いたというのに
恋愛における女心の機微が良く書けているなぁと感心した。

ちょっと前の僕なら「金持ちの考える事はよく解らん」って思っただろうなぁ。
登場人物に共感できる部分があるとやはり親しみが湧くのかしら?

本を読むと自分では上手く言葉に出来ない思いや考えが美しくも明確に記されている言葉(文章)に出会える。

今回のは↓

・美徳はあれほど人を孤高にするのに、不道徳は人を同胞のように仲良くさせる

・精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ

・惚れすぎて苦しくなり相手を無理にも軽蔑する事でその恋から逃げようとするのは拙い初歩のやり方です。万に一つも巧くはまいりません。

  
以上でした。特に美徳は孤高、不道徳は同胞ってのがガツンときたなー。

因みに節子の不倫相手の名は「土屋」だった。毛深いらしい(笑)