僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

立原道造 「日曜日」

2018-08-10 00:31:51 | 
立原道造は、場所や時を示す副詞句を、わざと
後に置く倒置法を駆使した。

それゆえ、小気味よさと、彼独特の詩情が
そこに溢れだす。

彼の手作り詩集「日曜日」の中に「田園詩」という
作品がある。

小徑が、林の中を行ったり来たりしている、

落ち葉を踏みながら、暮れやすい一日を。


また、私の好きな作品に「暦」がある。

貧乏な天使が 小鳥に変装する

枝に来て それはうたふ

わざと楽しい唄を

すると庭がだまされて小さい薔薇の花をつける



名前のかげで暦は時々ずるをする

けれど 人はそれを信用する



「田園詩」も「暦」も立原が19の時の作品である。