観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

インドは経済構造的に中国より立場は上なのでは?

2017-08-07 23:38:52 | 政策関連メモ
外務省インド基礎データ

インドってどういう国だろうと思って外務省の基礎データを見ましたが、ずっと輸入が輸出を上回っていますね。最大の輸入相手国は中国ですが、中国相手の輸出は第4位です。中国がインドに何を輸出しているかこのページでは良く分かりませんが、インドでは低所得者層が非常に多いため、中国は恐らく得意とする低価格帯の製品をガンガン輸出していると考えられます。インドで検索をかけるとこんな記事が出てきました。インドのしたたかさを知らず、印中対決に期待し過ぎる欧米(Newsweek 2017年8月5日(土)12時30分 河東哲夫)

>16年の印中両国間の貿易額708億ドルのうち、中国からインドへの輸出額は583億ドル。インドで中国製品の存在感は圧倒的で、家電ばかりか、ヒンドゥー教の神像など外国人観光客が買う土産物までが中国製だ。中国製日用品の一大集散地である浙江省義烏には、インド人バイヤーが押し掛けている。

>インドの街を歩くと、地下鉄の工事現場に円借款供与案件であることを示す日の丸印のすぐそばに、中国の建設企業の看板が立っている。価格や工期などで優れている中国企業が落札してしまうのだ。

円借款は返ってはくるんでしょうが(ただし、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの経済レポート「インド経済の現状と今後の展望 BRICsの中で最も高い経済成長率、ただし財政赤字・経常赤字に懸念も」によると、財政赤字の懸念がありますから、大丈夫かよ?という疑念が無くもないところです)、中国企業を儲けさせるているのは、何とも言えないところです。インド企業頑張れ、もしくは日本企業も中国企業と価格で勝負できるようになれと思います(ノウハウがないんでしょうが、素人考えでは人件費は現地人を使えば相当抑えられるはずです。資材も現地調達など安いものを選べばいいのでは?)。

日用品はインドでも作れるようになれば人件費は中国以上に安いでしょうから潜在的にはどうにかなるはずです。需要が旺盛ですから、これは必ずしもできるようになったからと言って中国の産業が直ちに潰れる訳でもないと思いますが、中国からの輸入依存体制を崩さないと経常赤字の問題は解決しません(現在は海外からの資本流入で補っているようです)(経常赤字は、為替相場下落、インフレ率上昇、国際収支危機などを誘発しやすいとのことです)。財政赤字はインドの高インフレ体質やインフラ整備不足の主因でもあるようです。経常収支の赤字リスクは海外投資で補っているようであり、投資家はインフラ整備不足を懸念していますから、意外とインド経済は脆いようにも思えます。投資家がインフラ整備不足を懸念して資金を引き揚げれば、財政赤字のインドはなすすべもないと思われます。インフラ整備不足になるのは、許認可が遅いこと、土地収用関連のトラブルがあることのようですが(諸制度・慣行・非能率な行政手続に関しては以下の記事:インドにおける貿易・投資上の問題点と要望(日本機械輸出組合))(土地収用問題に関しては以下の記事:インドにおける土地問題(1)~土地収用と 2013 年改正法について~)、対策はそれなりに打たれてはいるようです。ただ、こんな記事(2年連続7%超、インド経済の急成長は本物?バブル?zuu online)もあります。どうも教育がシッカリしていないからスキルのある人材がいないことがネックのようです。また公表されているGDP成長率の信憑性自体に、疑問を唱える声もあがっているようです。英シンクタンク、アダム・スミス・インスティテュートの上級研究員、ティム・ウォースタール氏は、 国民の過半数が両替のために銀行の外に長蛇の列を作った高額紙幣が、「その後の経済に何のマイナス影響もおよぼしていないとは考えにくい」と、7%を下回る気配を見せないGDPの成長率に潜むグレーゾーンを示唆しているとのことです。

外貨流出に悩む中国にインド投資する余裕はないはずです。インド経済にとって外資は生命線のようですから、もっと投資家・投資してくれる国の言うことを聞くべきだということになります。また、輸出してくる国より輸入してくれる国を有難がるべきでしょう。幾ら経済関係が深いと言っても、経済的な視点からはインドが中国の言うことを聞く理由はないように思えます。輸入している中国の安い製品は自分でつくれるように国民を教育しカバーすればいい訳ですし(雇用が増えます)、成長するための資金不足はノウハウのある外資をある程度儲けさせることによってひきつけカバーします。

軍事的にもインドが中国を一方的に恐れる理由もないと思いますしね。核戦争になったらさすがに困ると思いますが、それは中国も同じです。

インドとチベットのソフトパワー、ソフトパワーがない中共

2017-08-07 20:54:38 | 日記
本当はインドの記事はカシミールでの中印紛争を書こうと思っていたので、やはり書きたかったことは書いておきます。

アクサイチン(ウィキペディア)

>1962年の中印国境紛争の結果、中国により実効支配されているが、現在もインドが領有権を主張している。インド側の呼称はラダックである(正確にはラダックの一部分)。

>古来より東トルキスタン(新疆)とインド、またタリム盆地と西域を結ぶ交通路とされ、ウイグル族のメッカ巡礼でも多用された古来からの交通の要衝である。1960年代、中国政府はアクサイチン盆地を横断する新疆とチベットを連絡する新蔵公路を建設している。

ラダック(ウィキペディア)

>かつてはラダック王国という独立した仏教国であったが、19世紀にカシミールの藩王国に併合された。

>チベット文化圏に属するラダックは、よく小チベットと称されチベット仏教の中心地の一つとして有名である。文化大革命で破壊された中華人民共和国のチベット自治区よりも古い文化が良く残っていると言われる。 特に曼荼羅美術の集積はチベットを凌ぐとされる。

>初期仏教は少なくとも紀元前2世紀にはラダックに伝播したと思われる。クシャーン朝時代の仏教遺跡も見出される。初期仏教はこの地域へ経てさらに東へ伝わっていく。7世紀、チベットの吐蕃王国がシャンシュン王国を併合、ラダックと西ヒマラヤ地方を支配し、チベット民族が定着してゆく。8世紀になるとチベットから流入した仏教が再び盛んになる。

>841年に吐蕃が滅亡すると、842年に中央チベットの豪族であったキデ・ニマゴンがラダック王国を建国したと伝わる。17世紀にはバルティスターン王国と同盟を結び、センゲ・ナムゲル王の治世下に最盛期を迎えた。ザンスカールを支配下に収め、1630年には西チベットのグゲ王国を滅ぼした。1684年、チベットのダライ・ラマ政府(ガンデンポタン)と紛争が起こった結果、旧グゲ王国領域をチベットへ割譲され、ラサに朝貢することを約す。しかしチベット本国とはその後も対立が続き、その間にカシミールの諸侯が影響力を伸ばした。1822年、クルとラホール、キンナウルの連合がザンスカールを侵略し、1834年にはジャンムーのドーグラー王グラーブ・シングによってレーが陥落、1840年にはバルティスターンのスカルドゥも陥落した。シク王国の将軍ゾーラーワル・シングがドーグラー兵を引き連れ、チベットに向けて侵攻したが、チベットは1842年に講和してカシミール連合軍の侵入を阻止した(清・シク戦争)。だが、1846年にはイギリスが介入した第一次シク戦争の結果、グラーブ・シングの下でイギリス植民地のジャンムー・カシミール藩王国(1846年 - 1947年)が成立し、ラダック王国とバルティスターン王国は他のカシミール諸侯とともに藩王国の一部として併合された。(その後もラダックとバルティスターンの王家は藩王国内の一諸侯として一定の自治権を保持した。)

中国のラダック(アクサイチン)占領の後に文化大革命は起こっていますが、まだしも漢民族居住地に近いラサと違って、アクサイチンは非常に遠方果ての果てであるため破壊を免れたのでしょうか?

チベットの歴史(ウィキペディア)で最初に名前をあげられる国は吐蕃ですが7世紀ですから、紀元前からあったとされるシャンシュン王国(ウィキペディア)の方が歴史は古いです。ただしシャンシュン語はチベット・ビルマ語族とされますが、詳しいことは分かっていないようです。シュンシャン王国はカイラス山麓一帯を支配していたようですが、カイラス山(ウィキペディア)(>仏教(特にチベット仏教)、ボン教、ヒンドゥー教、ジャイナ教で聖地とされる。)(>現在、カイラス山を通る自動車専用道路の建設が中国政府によって計画されており、中止を求める運動が国際的に展開されている。)はチベットの民族宗教ボン教(ウィキペディア)(>その起源は相当古くに遡り、人類最古の文化のひとつに数えられている。>ボン教とチベット仏教は相互に影響しながら発展してきた歴史があり、それぞれのなかに互いの影響を見てとることができる。ただし、ボン教には中央アジアにおける古代文明の痕跡がより色濃く見られることが指摘されている。)の聖地でもあります。クシャーナ朝(ウィキペディア)も一世紀から三世紀ですから、チベットは西チベットの(端の端の)方が東チベットより早くに発展した可能性が高いように思われます。中国(漢民族)も歴史は古いですが、チベット高原とはやはり隔絶していて唐の吐蕃王国の併合は9世紀になります。ギリシア人のバクトリア王国(ウィキペディア)(紀元前255年頃 - 紀元前130年頃)がラダックを支配していたか良く分かりませんが、少なくとも西チベットに隣接していたことは確かです。

吐蕃の治世224年の後、中央チベットの豪族が建てたとされるラダック王国の歴史は長いようです。この間モンゴル帝国が勢力を伸ばしたはずですが筆者には関係が良く分かりません。モンゴル帝国後チベットは清に征服されるまで独立していたようです。ラダックには近接するカシミール諸侯が影響力を伸ばし、結局イギリスの植民地であるカシミール藩王国に併合されます。

さてラダック地方及びチベットの歴史を纏めてみましたが、感想としては特に中国が支配の正統性を訴える理由も無いなということです。少なくとも近接する西南部の影響は強いですよね。チベット人の土地とも言えますが、チベットは時折中国の王朝(全て異民族王朝)に支配されましたが長らく独自の王国を保ってきたのであって、今中国の支配下にあるのは武力による占領の結果に他なりません。

チベット文化も中国は守っていないですしね。文化大革命の破壊は勿論、チベットの象徴であるところのダライラマ(ウィキペディア)を擁しているのはガンデンポタン(ウィキペディア)(チベット亡命政府)であり、保護しているのはインドです。

そもそも仏教自体インド発祥ですからね。

インドがチベット全域を支配したこともありませんが、文化の保護という意味において中国よりよりマシな支配者になる可能性もあります。本当は独立するにたる堂々たる歴史・文化もあるでしょう。少なくともダライラマの言う高度な自治は認められてもいい。弾圧しているのは中国政府です(沖縄は独立も自治も主張していませんし、その結果虐殺含む弾圧も行っていません。外人を含む過激な反米活動家(アメリカは日本を中国から守っています)の排除は行っているかもしれませんが、それだけです。同じではありません)。

そういう訳で、アクサイチン含むラダックに関してインドの主張に理があるよなと思います。まぁ長らく占領されているので厳しくはなっていますが。最大版図が何時までも自国領なら台湾だって日本の領土です。台湾は漢民族主体かもしれませんが、チベットは本来チベット民族の土地です(移民によってある種侵略しています)。中国のアクサイチン占領には武力で占領した以外の根拠がないんですね。そこはカシミール藩王国の土地だった訳ですから。まぁ今更核戦争の危険を冒して奪還する訳にもいかないでしょうが。

筆者の見るところ中国の主張には何時も理がありません。武力・経済力でしか自身を正当化できないんですね。だから、武力・経済力がシッカリしていれば(それも大変ですが)、問題なく退けることができます。殊更萎縮する必要性はないはずです。

ドラクム高原における中印紛争を題材にレコードチャイナの偏向ぶりを考える

2017-08-07 17:18:11 | メディア
大艦巨砲主義(2017年08月06日 20:00 中国軍がインドに警告 国境付近で緊張を高まる)

大艦巨砲主義は2chソースでレコードチャイナ(「「我慢にも限界」中国軍がインドに警告、実弾演習で圧力も―中国メディア」2017年8月6日(日) 18時0分)にリンクされています。

>任国強(レン・グゥオチアン)報道官は「中国は最大の善意を用い、外交ルートを通じて事態の解決を図っている」とした一方で、「善意を払うといっても原則がある。我慢にも限界はある」との表現で強く警告した。

ブツけてきておいて被害を主張した尖閣事件を思い出しますよね。どうせ中国が悪いんでしょと先入観を持ってしまいます。また・・・

>中国とインドは先日来、国境付近で緊張を高めており、両国ともに相手側が先に侵犯したと批判している。

・・・などと「客観的に」書いていますから、普通に読むと「どっちが手を出したか分からんな」と思ってしまいますが、ここは本来レコチャの書いていることを信じるべきだろうかと思うべきなのだと思います。筆者はレコチャの記事に場所が書いていなかったので、大艦巨砲主義のまとめにカシミール・パキスタンという用語があったことから(ただし場所は特定していない)、てっきりカシミールだと思い込んでいたのですが(ただ、まとめの「ここらへん水源地だもんな」という書き込みにインド関係なくね?パキスタンの水源では?と疑問には思っていました)(カシミールでの中印紛争に関しては別に記事をたてます)、調べている内に大紀元の記事にあたり日付を見てこのブータン国境の話がレコチャの記事かよ!と気付いた次第です。面目ない。場所ぐらい書けよな、レコチャはよ!これからはレコチャの記事を安易に利用しないよう重々気をつけます。

ブータン国境で中印がにらみ合う 領有権紛争が再燃 1962年来の緊張状態
(大紀元 2017年07月29日 19時00分)

>中国とブータンがともに領有権を主張しているドクラム高原(Doklam、中国名:洞郎)で中国が6月中旬から道路の建設を始めたため、かつてブータンを保護国としていたインドが介入し工事を阻止した。中国は「インド軍の国境侵犯だ」と非難して軍隊や物質を増派し、両軍がすでに1カ月以上にわたって対峙を続けている。1962年の中印国境紛争以来の緊張事態とみられる。

>ブータンの実効支配下にあるドクラム高原はインドにとって国境警備の要塞。中国領のチベット自治区からインド領のシッキム州への経由地であるうえ、中国に支配されると、インドの北東部7州と本土を結ぶ陸路が遮断されるリスクが高まる。高原の面積は約100平方キロメートルしかなく、豪雪地帯で自然環境と交通が極めて悪劣で、インド軍が数カ所の小型軍事拠点を設けている。

>中国の軍事専門家は「中国が国内につなぐ軍用道路を開通させれば、ドクラム高地を確実に実効支配できる」と分析した。6月16日、現場で人間の盾を作って工事を止めようとするインド軍が中国軍ともみ合いに、中国側は重機でインド軍の塹壕2箇所を破壊した。

>一部の情報によると、国境地帯の中国軍は約2万人で、インド軍は8倍強の十数万人。

>両国国境のほぼ全域がヒマラヤ山脈といった高山地帯で国境線はあいまいのため、領土問題が20世紀はじめから生じた。中国共産党政権下の1962年、中印国境紛争が起き中国が勝利し、領土をわずかに増やした。中国軍事専門家は「この戦いは、毛沢東が政権発足直後から13年間にわたって人員&物資の準備を行ったことでやっと勝ったもの」と指摘し、両国が戦争する場合、地理位置の劣勢により人員や物資の補給が難しい中国の勝算は低いと示唆した。

>インド実効支配下のシッキム州の帰属をめぐっても両国間の小競り合いが絶えない。2005年の胡錦濤政権時代に、「シッキムの主権はインドに、チベットの主権は中国にある」とする両国間の合意が交わされたが、2014年、中国軍がシッキム州に一時侵入し、両軍が約2週間対峙した。今回の緊張事態をうけて、中国側は先の合意を見直すこともありうるとほのめかした。

詳しいですね?大紀元。大紀元は法輪功との関係が言われ信憑性を疑っていたところもあるのですが、事実関係にそうそう間違いはないでしょうし、場所が書いているだけでもレコチャより遥かに上だろと思いました。レコチャのように中国の言い分をタイトルに持ってきて「どっちもどっち」的に誤魔化したりもしません。大紀元(ウィキペディア)

国境侵犯をしたのはインドかもしれませんが、中国自らインドであると認めたシッキム州に中国から侵攻しているようですからね・・・。しかもドクラム高原を支配されると、インド北東部と本土を結ぶ陸路が遮断されるリスクが高まるんでしょ?道路建設なんかされたらインドは非常に困る訳で、そりゃ当然怒るでしょうし、阻止に出るのは当然ですよ。いきなり戦争仕掛けた訳でもなく、人間の盾で阻止しに行っただけの話で、中国が道路建設を諦めればいいものを、逆ギレでおまえが悪いでしょ?筆者はインドに同情的ですね。結局、中国はシッキムを自分の領土と思っているから盗りにいこうとしているだけの話で、東シナ海でも南シナ海でもそうしているようにサラミ戦術で領土拡大を狙っているだけだと思います。中国帝国主義の夢は本当に厄介です。何のための道路建設なんや・・・。2014年の中国軍進入とは何やったんや・・・。そこをとられたらインドの7姉妹州(ウィキペディア)への交通が非常に危なくなるんやが・・・。中国はシッキムを自分のものと思っているでしょうし、友好国のビルマやパキスタンをアシストする気もあるかもしれませんが、インドが行動に出るのは当たり前なんですよね・・・。

シッキム州(ウィキペディア)

そもそもチベット系レプチャ人の居住地だったようですが、チベット人が亡命してきてシッキム王国を建てチベットの属国とされたようです(チベットを属国としていた清朝も属国としていた)。隣国のブータンやネパール人の侵入もあり、イギリスと清との戦争の結果、イギリスの保護国になり、労働力として移住してきたネパール人が多数派になります。インドが独立した際、インドの保護国になりますが、結局インドはシッキムを併合します。中国は長らくシッキムの併合を認めていなかったようですが、2003年インドの主権を認めています。台湾は未だにインドの主権を認めていません。

筆者はシッキムはインド領だと思います。その根拠は・・・。

①中国自身がインドの主権を認めた。
②そもそも中国の主張の根拠が薄弱。シッキム王国はチベットの属国・清の属国だったかもしれませんが、一時の属国を理由に領有権を主張するのは難しい。そもそもそこは先住民族がいたところです。経緯はどうあれ多数派はネパール人でもあります(漢民族は非常に長期間に渡って満州にそもそも住んでいませんでしたが、今では東北地方の多数派は漢民族です。少数民族の歴史的正統性を持ち出すと中国自身が非常に厄介な問題を抱えることになります)。中国がインドの主権を認めたのはこの辺が理由でもあるでしょう。
③歴史的に順当にインド領になっています。承認しないのは自由ですが、戦争でとられたから認めない論法が通るなら、チベットもウイグルもモンゴルも独立することになります。

結局中国が素直に(自分で認めた通り)シッキムに野心を持たなければ問題は起こっていないでしょう。何だかんだ理由をつけて国境紛争し過ぎなんですね。中国は。

最後にロイターの記事ですが・・・

中印の国境紛争、BRICS首脳会議に影(ロイター 2017年 08月 3日 16:48)

>中国は2日、中国領に不法に越境してきたインド軍について、インドが「でっちあげ」の言い訳をしていると強い調子で非難。「中国は正当で合法的な権利と利益を守るため、必要なすべての措置を取る」(外務省)と強調した。

>中印の軍隊は、中国とインド、ブータンが国境を接するドクラム地区でにらみ合いを続けている。

>インドも、係争地での中国による道路建設が現状の変更につながるとの主張を繰り返し表明。同国外務省は2日夜に発表した声明で「インドは、中国との国境地帯での平和と安定が、中国との二国間関係の円滑な発展にとって重要な前提条件だと考えている」と指摘した。

地名はちゃんと書いています。中国とインドの主張両方書いています。中国の言い分は意味不明ですが(中国の道路建設がでっちあげだとでも言うのでしょうか?)、レコチャで書いている中国の言い分と似たようなものです(つまりインド側が行動に到った自身の行動に関する経緯を踏まえていない)。インドは中国の現状変更(道路建設)の意図を普通に訝っているんですね。

紛争に関する説明を一方の当事者だけに拠るべきではありませんが、ほぼ中国よりの説明をしてしまうのがレコチャなのでしょう(タイトルからして中国の代弁者丸出し)。筆者は元々中国のやり口に反感を持っている方ですが、大紀元やロイターはインドの国境侵犯という具体的な中国の言い分も取り上げており、それほど公平性を欠いているようには見えません。