乱鳥の書きなぐり

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『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』 龍谷ミュージアム 2012年

2012-12-07 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸


 龍谷ミュージアム  『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』










  わたしが京都に生まれ住んでいた頃にはなじみがない龍谷大学龍谷ミュージアム
 それもそのはず、2011年4月に京都・西本願寺前に開館された仏教の総合博物館だという。
 龍谷大学龍谷ミュージアムは「すだれ」が おおいかぶったデザインで、京都の景観を損ねない。
 また、知人の話では「すだれ」の元となる物は 古くは西の方にあったらしいので、それに基づいた良いデザインだと言うことだ。

『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』を見るきっかけとなったのは、『道成寺縁起絵巻』 
  『桑実寺縁起・道成寺縁起』より「道成寺縁起 上巻」(続日本絵巻大成 13 中央公論社)
  『桑実寺縁起・道成寺縁起』より「道成寺縁起 下巻」続日本絵巻大成 13 中央公論社
 実物が見てみたかったので、会場では興奮。
 
 また立派な仏教絵画が多く、目を奪われる。

 今年の二月から絵巻物を読み始め、仏教知らずのわたくしは仏教用語や仏教の基本的な考え方がわからずに悩んでいた。
『東大寺大仏縁起』は面白く、この辺りから少しは読み物或は芸術としてだけではなく、仏教感覚を交えて読み進めて行きたいと思うようになったのだが、『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』はわたくしにとってタイムリーに訪れた幸運な展覧会であった。
 『東大寺大仏縁起・二月堂縁起』より「東大寺大仏縁起 上巻」 続々日本絵巻大成伝記・縁起篇6 中央公論社
 『東大寺大仏縁起・二月堂縁起』より「東大寺大仏縁起 中巻」 続々日本絵巻大成伝記・縁起篇6 中央公論社
 『東大寺大仏縁起・二月堂縁起』より「東大寺大仏縁起 下巻」続々日本絵巻大成伝記・縁起篇6 中央公論社

 上に【芸術としてだけではなく、仏教感覚】と書いたように、『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』は素晴らしい展示物に加えて、梛野 明仁 師 (本澄寺)による絵解き実践という貴重な経験をさせて頂いた。

 この後、いくつかの絵巻物を楽しんだが、『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』『梛野 明仁 師の絵解き』を見る前と後では、わたくしなりに理解の度合いが深まったと喜んでいる。

 
『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』を見るのに相当時間がかかった。
 何度か足を運んでじっくり見ていたかった心に残る特別展
 今も図録を見ながら余韻に浸っている。





会期中の展示総数約140件
うち、国宝2件、重要文化財22件、(国指定)重要民俗文化財1件
会期中展示替えあり


序章 “絵解き”するひとびと
過去の絵解きの現場を確認できる作品群
遊芸人図(部分) (東京 (財)大場代官屋敷保存会)
(全期間展示)

第1章 お釈迦さまの“絵解き”
仏教の開祖、釈迦の生涯を伝える絵解き
国宝
絵因果経(東京藝術大学大学美術館)
(全期間展示 期間中巻替え有)

第2章 お経の“絵解き”
法華経や、華厳経の教えをあらわした絵解き
二河白道図(奈良 薬師寺)
(展示期間10月13日~11月4日)

第3章 「あの世」の“絵解き”
故人の因果・因縁に結び付いてなされる絵解き
中山寺閻魔堂内安置彫像群より
鬼卒像・業秤(兵庫 中山寺)
(全期間展示)

第4章 ありがたい方々の“絵解き”

各宗派の高僧絵伝と、浄土真宗における四種絵伝の絵解き
重要文化財 聖徳太子絵伝
第1幅 (愛知 本證寺)
(展示期間10月13日~11月4日)

第5章 お寺と神社の“絵解き”
寺院や霊場など、特定の場と結びついて語られる絵解き
鐘巻由来図 第4幅(部分)
(和歌山 道成寺)
(展示期間11月6日~11月25日)

第6章 旅する“絵解き”
諸国巡回する絵解き・巡礼と結びつく絵解き
熊野観心十界曼荼羅
(三重 神戸第1・第2自治会新光寺保管)
(全期間展示)

終章:今を生きる“絵解き”
能・狂言との関わりや、現在行われている絵解きの映像・パネル紹介
富山県南砺市・馬川透流師の絵解き


 龍谷ミュージアム公式HPより ▼
 お釈迦さまの一生の様々な出来事から、世にも恐ろしい地獄の情景、お寺や神社のありがたいご利益、はたまた人生の無常までー。
 かつて日本人は、仏教にまつわる物語が描かれた絵画に触れ、多くのことを教えられてきました。仏教絵画を読み解き、観る者に語りかける“絵解き”は、中世から近世にかけて次第に盛んになり、“絵解き”に深くかかわる魅力的な作品が数多く生み出されました。
 本展覧会では、日本人と仏教絵画の結びつきを、“絵解き”という角度からとらえていきます。また、展示と同時に、全国で受け継がれている“絵解き”実演もご紹介。  目と耳の双方から、仏教絵画の奥深さをとくとご覧ください。




龍谷ミュージアム
京都市下京区
堀川通正面下る(西本願寺前)

『”絵解き”ってなぁに?- 語り継がれる仏教絵画 -展』
  2012年10月13日(土)~11月25日(日)







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2 コメント

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龍谷ミュージアム (pinky)
2012-12-07 21:53:14
Ranchoさん、、こんばんは!

識字率が低く、言いたいことを誰もが言えることのできなかった時代の絵って面白いですね。
「絵解き」とは、そういった背景もあるのでしょうか。
とても興味深いです。
それがまた、Ranchoさんのモードに嵌ると
とっても楽しく感じられます。

ところで龍谷ミュージアムの外壁は簾のように見える
ルーバーですか?
まるで、京都の民家の現代アレンジみたいですね。
どこか懐かしく、親しみやすい雰囲気に
街を歩いていたら、ふらりと入ってみたくなるような気がします。
夜になれば、また灯りが漏れて見えて素敵なんでしょうね。
またまた、素敵な場所を教えて頂きありがとうございました。
ありがとうございま~す^^ (Rancho)
2012-12-08 13:57:51
 pinkyさん、いつも嬉しいコメントをありがとうございます!^^!

 本当ですね!☆そう思います^^
「絵解き」や「踊り念仏」は時代は流れてもそういった背景もあり、人びとに広がりを見せたのでしょうね(*^D^*)

 >京都の民家の現代アレンジ
 ホント!そうですね^^v
 京都にすんなりはまり込んで、おにしさん(西本願寺)ともマッチしていい感じの建物でした。
 龍大は大谷探検隊等がご活躍されていたので、良いデザインを考案されたなと思います。

 そうなのですか?
 正式名は ルーバーと言うのですか?
 使い勝手が良さそうですね。
 夜も歩いて灯りをみてみたいですが、京都もなかなか南の方へは行く機会がなく残念です(^^)
 いつも教えて頂き、ありがとうございます^^
 感謝感謝デス☆^^☆

 
 
 
 

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